筆者は元証券会社のファイナンシャルアドバイザーで、主に富裕層や法人を対象に資産運用のコンサルティングを行っていました。
潤沢な資金を保有している世帯ほど、今の生活だけでなく「将来の生活状況に目を向けている」傾向にありました。
老後の生活を支える公的年金について、仕組みやご自身が将来受け取れる金額を正確に理解している方は、案外少ないのではないでしょうか。
実際のところ、公的年金の受給額は一人ひとり異なり、加入期間や現役時代の収入によって大きく変動します。
この記事では、2026年度の年金支給額に焦点を当て、厚生年金と国民年金の平均受給額、そして65歳以上の方々の家計のリアルな状況まで、詳しく掘り下げていきます。
ご自身の将来設計の参考にしていただければ幸いです。
【2026年度】年金の支給額はいくら?モデルケースを紹介
公的年金の支給水準は、物価や賃金の変動を反映して、毎年改定されています。
2026年度の年金額の例
2026年度においては、前年度である2025年度と比べて、国民年金(老齢基礎年金)は1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は2.0%の増額となります。
2026年度における国民年金・厚生年金の支給モデル
- 国民年金(老齢基礎年金・満額・1人分):月額7万608円(前年度比+1300円)
- 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):月額23万7279円(前年度比+4495円)
※昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金(満額)は、月額7万408円(前年度比+1300円)です。
※厚生年金の金額は、平均的な収入(賞与を含む月額換算で45万5000円)を得ていた夫が40年間厚生年金に加入し、その配偶者が40年間国民年金に加入した場合の、夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)と老齢厚生年金を合わせた給付水準です。
厚生年金と国民年金、受給額の平均にはどのくらいの差があるのか
老後の生活を支える大切な収入源である公的年金ですが、実際に受給できる金額は人によって異なります。
これまでの年金への加入状況や保険料の納付実績に応じて受給額が算出されるため、金額に大きな差が生まれることを理解しておく必要があります。
ここでは、厚生労働省の資料を基に、厚生年金と国民年金の受給額に関するデータを確認していきます。
厚生年金の平均受給額(月額)と分布
厚生年金の平均額(全年齢)
出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 〈全体平均〉月額15万289円
- 〈男性平均〉月額16万9967円
- 〈女性平均〉月額11万1413円
※上記の金額には国民年金(老齢基礎年金)分も含まれています。
男女別で比較すると、男性の平均が16万9967円、女性が11万1413円であり、両者の間には約6万円の開きが見られます。
さらに、受給額の分布は1万円未満から30万円以上までと非常に幅広いため、個々人の状況を把握することが大切です。
国民年金の平均受給額(月額)と分布
国民年金の平均額(全年齢)
出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 〈全体平均〉月額5万9310円
- 〈男性平均〉月額6万1595円
- 〈女性平均〉月額5万7582円
国民年金の平均受給額は、全体および男女別で見ても、月額5万円台となっています。
受給額は1万円未満から7万円以上まで分布しているものの、制度上、満額が定められているため、厚生年金のように受給額に大きな差は出にくいという特徴があります。
データを見ると、最も受給者が多いのは「6万円以上~7万円未満」の層であり、多くの人が満額に近い金額を受け取っていることがうかがえます。
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LIMO&ファイナンス編集部記者SMBC日興証券(旧日興コーディアル証券)出身。証券外務員一種保有。富裕層や法人に向けた資産運用コンサルティングに従事。現在は「LIMO」編集部で金融ライターとして記事の企画・執筆・監修をしている。
PROFILE
一種外務員資格(証券外務員一種)保有。2005年にSMBC日興証券(旧日興コーディアル証券)へ入社し、富裕層や法人に向けた資産運用コンサルティングに従事。現在は、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」編集部にて、これまでの実務経験を活かし、官公庁の公的データなどに基づいた信頼性の高い金融記事を執筆。新NISAやiDeCoを活用した資産形成、公的年金(厚生年金・国民年金)の仕組み、社会保障制度などをテーマに、読者のライフプランに寄り添う実践的なマネー情報の企画・執筆・監修を行う。