【65歳以上の介護保険料】2000年「月2911円」→現在「月6225円」約2倍に!なぜ国は利用者の資産状況を確認するのか?
beauty-box/shutterstock.com
執筆者橋本 優理保険ライター/元保険代理店プランナー/FP2級
監修者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者
06:30
【65歳以上の介護保険料】2000年「月2911円」→現在「月6225円」約2倍に!なぜ国は利用者の資産状況を確認するのか?
beauty-box/shutterstock.com

この記事はここがポイント

  • 国による2026年5月下旬からの介護保険利用者預貯金把握検討。
  • 介護保険料は2000年月2911円から現在月6225円へ約2倍に増加。
  • 所得に応じ最高3割負担、資産も勘案した公平な負担の追求。

「将来、自分や親の介護にいくらかかるのか不安で…」。元生命保険会社の職員であり、現在はFP(ファイナンシャルプランナー)として活動する私の元には、こうした切実なご相談が寄せられることもありました。現場で多くのお客様の家計を見てきた経験から言えるのは、「介護費用の見積もりの甘さが、老後のマネープランを大きく狂わせる原因になり得る」ということです。

そんな中、私たちの将来の負担に直結する重要な話し合いが国でスタートしました。2026年5月下旬、厚生労働省が開始した「介護保険の利用者の預貯金などを正確に把握するための検討」です。「自分の預金残高まで見られるの?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。

今回は、第1回検討会の内容をもとに、介護保険の基本的な仕組みから、今後の私たちの負担がどう変わる可能性があるのかについて、FPの視点を交えて分かりやすく解説します。

【65歳以上の介護保険料】2000年「月2911円」→現在「月6225円」約2倍に

介護保険にかかる費用は、半分を税金(公費)、もう半分をみんなから集める「保険料」で賄う仕組みになっています。この保険料の決まり方や支払い方法は、年齢によって異なります。

65歳以上(第1号被保険者)の保険料は市区町村ごとに設定され原則「年金天引き」

まず、65歳以上の人の保険料は、お住まいの市区町村ごとに基準額が設定され、個人の所得段階に応じて決まります。支払いは原則として年金からの天引きです。高齢化の影響で利用者が増えているため保険料は年々上昇しており、制度開始時は全国平均で月額2911円でしたが、現在(令和6〜8年度)は6225円になっています。

40歳〜64歳(第2号被保険者)の保険料は「医療保険」とセットで徴収

一方、40歳から64歳までの人は、自分が加入している医療保険(職場の健康保険や国民健康保険など)の保険料とひとまとめにして徴収されます。例えば、多くの中小企業が加入する「協会けんぽ」の場合、毎月のお給料(標準報酬月額)に一定の「介護保険料率」をかけて計算されます。

【自己負担は最高3割】年金年収340万円(単身)以上の負担はどうなる?

介護保険は、「高齢者の介護を社会全体で支え合う」ことを目的として、2000年にスタートした制度です。昔は家族が介護を担うのが一般的でしたが、高齢化や核家族化が進み、家族だけで支えることが限界になった背景から生まれました。

《対象者》65歳以上(第1号被保険者)と40~64歳(第2号被保険者)

介護保険制度の被保険者(加入者)

介護保険制度の被保険者(加入者)
介護保険制度の被保険者(加入者)

制度の大きな理念は、単なる身の回りの世話にとどまらず、「高齢者の自立を支援する」ことです。対象となるのは、65歳以上の人(第1号被保険者)と、40歳から64歳までの医療保険加入者(第2号被保険者)です。ただし、サービスを受けられる要件は年齢で異なり、65歳以上は原因を問わないのに対し、40歳〜64歳の人は末期がんや関節リウマチなど、加齢に起因する「特定疾病」による場合に限定されます。

《自己負担割合》原則「費用の1割」一定以上の所得「1〜3割」

介護保険制度における利用者負担

介護保険制度における利用者負担
介護保険制度における利用者負担

介護が必要と認定されると、原則としてかかった費用の1割を自己負担するだけでサービスを受けられますが、一定以上の所得がある人は2割または3割負担となります。

なお、この所得に応じた2割・3割負担のルールは65歳以上の「第1号被保険者」が対象で、40歳〜64歳の「第2号被保険者」は所得に関わらず一律1割負担となります。

具体的には、第1号被保険者の本人の合計所得金額が160万円以上で単身世帯の年金収入などが280万円以上の場合は2割負担です。さらに所得が高く、本人の合計所得金額が220万円以上かつ、単身世帯の年金収入などが340万円以上になる場合は最高3割負担が適用される仕組みになっています。

また、特別養護老人ホームなどの施設サービスを利用する際は、これらの介護費用とは別に、居住費や食費などの日常生活費も原則として自己負担(※今回の検討会で把握が議論されている部分)となります。

Google で優先するソースとして追加
橋本 優理保険ライター/元保険代理店プランナー/FP2級
村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

関連タグ