パーソナルファイナンスニュース

あなたの老後資金は大丈夫?2026年度の年金額と「高齢者世帯のリアルな家計収支」から考える。単身世帯・二人以上世帯の平均赤字はいくらか

【2026年度の税制改正】公的年金にかかる税金のルールが変更「税負担が軽くなるケースも」

執筆者安達 さやかLIMO&ファイナンス編集部記者
20:40

老後資金はどのくらい準備すべき?生活費から考える必要額

これまで見てきたデータから、65歳以上の無職世帯では、夫婦世帯と単身世帯のいずれにおいても、月々の家計が赤字になりやすい傾向があることがわかります。

では、このような毎月の不足分をカバーするためには、一体どの程度の資金を準備しておく必要があるのでしょうか。

結論からいうと、老後に必要となる資金額は、個人の状況によって大きく異なります。

住居費の有無、健康状態、趣味や旅行に使う費用、そして何歳まで就労を続けるかなど、さまざまな要因で家計の状況は変わるため、「すべての人に共通の金額が必要」とは断定できません。

しかし、老後資金の計画を立てる上では、平均的な家計収支のデータを参考に、不足する金額の目安を把握しておくことが大切です。

例えば、単身世帯で毎月約3万円、夫婦世帯で約4万円の赤字が続くと仮定すると、年間の不足額はそれぞれ約36万円、約48万円にのぼります。

もし65歳から20年間生活を送ると想定した場合、単純に計算しても数百万円単位の準備資金が必要になる可能性が考えられます。

もちろん、退職金の有無やそれまでの貯蓄額、また働き続けるかどうかによっても、実際の状況は変わってくるでしょう。

だからこそ、平均的なデータを参考にしながらも、ご自身の年金受給見込み額や想定される生活費を基に、「自分にとって必要な老後資金額」を早いうちから考えておくことが重要です。

【2026年度の税制改正】公的年金にかかる税金のルールが変更「税負担が軽くなるケースも」

令和8年度(2026年度)の税制改正により、公的年金にかかる税金のルールが変更されました。今回の改正では「基礎控除額」が引き上げられたことで、税負担が軽減される(所得税が天引きされない)年金受給者が増える見込みです。

今回は、シニア世代が特に押さえておきたい「主な変更点3つ」を分かりやすく整理してみていきましょう。

変更点1:12月の年金支給時に「税金の再計算と還付」が行われる

令和8年中の年金については、11月の支払い分までは「改正前」のルールのまま税金が天引き(源泉徴収)されます。

その後、12月の年金支払時に新しいルールを用いて1年分の税額が再計算され、払いすぎた税金が生じた場合には、原則として12月の年金支給額に上乗せされる形で還付される仕組みになっています(※対象となるのは、実際に税金を納めすぎていた方に限られます)。

変更点2:住民税の課税対象者にも新たに「申告書」が届く

これまでは所得税の天引き対象者に送られていた「扶養親族等申告書」ですが、今回の改正に伴い対象者が拡大されます。

所得税の源泉徴収対象ではなくても、個人住民税の課税対象になり得る金額の年金を受け取っている方(例:65歳以上で年金収入148万円以上など)には、新たに「扶養親族等申告書」が送付されることになりました。

変更点3:扶養親族の所得要件が「62万円以下」に引き上げ

さらに、同居するご家族などを扶養に入れる際の所得要件が「62万円以下」に引き上げられました。

これにより、新たに扶養控除等の対象となる場合は、日本年金機構から送られてくる「扶養親族等申告書」に必要事項を正しく記入して期日までに提出しましょう。

この手続きを行うことで、確定申告をせずとも年金から天引きされる税額を正しく抑えることができるようになります(※他に一定の所得がある場合などを除く)。

年金制度と老後の家計を理解し、早めに備えよう

この記事では、2026年度の年金支給額をはじめ、厚生年金と国民年金の平均的な受給額、さらに65歳以上世帯の家計収支の実態について解説しました。

2026年度は年金額が増額改定されましたが、実際の平均受給額を見ると、厚生年金が約15万円、国民年金が約6万円となっており、受給者による差が大きいことがわかります。

また、総務省統計局の「家計調査報告」によれば、65歳以上の無職世帯は、夫婦・単身ともに支出が収入を上回り、毎月赤字に陥りやすい傾向にあることが示されています。

公的年金だけでは生活費のすべてを賄うことが難しく、貯蓄を取り崩したり、他の収入源を確保したりして生活している世帯も少なくないのが現状です。

安心して老後を迎えるためには、「年金があるから安泰だ」と考えるのではなく、ご自身の年金受給見込み額や将来の生活費を早期に把握し、必要に応じて資産形成や家計の見直しに取り組むことが大切といえるでしょう。

参考資料

関連タグ

安達 さやかLIMO&ファイナンス編集部記者

PROFILE

TOP