この記事はここがポイント
- 新NISA積立は50代からでも可能で、35歳開始約4161万円、55歳開始約776万円への増加を試算
- 月5万円を65歳まで積立時、運用期間の長さが複利効果を大きく左右する要因
- NISA商品選びは家計全体のライフプランニングから逆算し、余裕資金で行うのが鉄則
「新NISAで積み立てを始めたいけれど、今からではもう遅いのではないか……」
ニュースなどでNISAの話題を見聞きするたび、そんな風に迷っていませんか?特に、50代からスタートすべきかどうか悩んでいる人は非常に多いと感じます。
結論から言うと、決して遅くありません。しかし、「とりあえず始める」前に知っておくべき残酷な現実と、絶対にやってはいけない選び方があります。
本記事では、毎月5万円を積み立てた場合の年齢別シミュレーションを確認したうえで、元銀行員の視点から「50代がNISAで失敗しないための鉄則」を解説します。
35歳・45歳・55歳から毎月5万円の積立投資でシミュレーション。10年の投資で将来の資産はどれだけ変わるのか
では、毎月5万円を65歳まで積み立てると、資産はどのくらいに育つのでしょうか。ここでは金融庁の「つみたてシミュレーター」と同じ考え方で、年利3%と年利5%で運用できた場合を試算します。始める年齢は、30歳代を35歳、40歳代を45歳、50歳代を55歳と置き、それぞれ65歳までの年数で計算しました。
35歳から30年間積み立てた場合
- 元本:1800万円
- 年利3%:約2914万円
- 年利5%:約4161万円
30年という長い期間があるため、複利の効果がもっとも大きく働きます。年利5%で運用できた場合、元本1800万円に対して2000万円以上がふえる試算です。元本がちょうど生涯非課税枠の1800万円にあたる点も、30歳代ならではの特徴です。
45歳から20年間積み立てた場合
- 元本:1200万円
- 年利3%:約1642万円
- 年利5%:約2055万円
20年間でも、年利5%なら元本1200万円が2000万円台に届く試算です。30歳代と比べると期間が10年短くなるぶん、増える金額の伸びはゆるやかになります。それでも、20年という時間は複利を働かせるのに十分な長さだといえるでしょう。
55歳から10年間積み立てた場合
- 元本:600万円
- 年利3%:約699万円
- 年利5%:約776万円
10年間の場合、増える金額は年利5%でも約176万円と、これまでの年代に比べて小さくなります。運用できる期間が短いほど、複利の効果は控えめになるためです。とはいえ、預貯金だけの場合と比べれば、非課税で運用できるメリットは残ります。50歳代から始める場合は、増やすことに加えて、使う時期を見据えた無理のない積立額を考えることが大切です。
3つの年代を並べると、同じ毎月5万円でも、始める年齢が早いほど将来の資産額に差がつくことがわかります。これは、運用期間が長いほど複利が大きく働くためです。一方で、ここでの年利はあくまで一定で運用できた場合の前提であり、実際の成績は市場によって上下します。金融庁などのシミュレーターでも、ご自身の条件で実際の数値を確かめてみるとよいでしょう。
みずほ銀行出身。FP2級保有。確定拠出年金の講師として全国でセミナーに登壇。フィンテック企業広報を経て、現在はLIMOで官公庁データを基に、年金や資産運用、新NISA、iDeCo等の記事を執筆。
