
年金収入だけでやりくりするのは大変、と感じる方は多いのではないでしょうか。
物価がどんどん上がる中で、毎月数千円の上乗せ収入があるだけでも家計の助けになります。
日本年金機構が公表した「令和8年4月分からの年金額等について」によると、2026年度の年金生活者支援給付金は前年度から3.2%引き上げられ、老齢年金生活者支援給付金の基準額は月5620円となりました。
給付金を受け取るには、65歳以上であることや所得が一定以下であることなど、いくつかの要件を満たす必要があります。
この記事では、対象者の条件・給付額の目安・請求の手続きまでを、元自治体職員として年金や給付の窓口に立っていた立場から、わかりやすく整理していきます。
【年金生活者支援給付金】どんな給付金?Q&Aで解説
年金生活者支援給付金は、公的年金を受け取っていても所得が低い方の生活を支える目的で、年金に上乗せして支給される給付金です。
給付金の財源はどこから?
制度のスタートは2019年10月1日で、このとき行われた「消費税率引き上げ分」が財源にあてられています。
「年金生活者支援給付金の支給に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」
給付金には何種類ある?
年金生活者支援給付金には大きくわけて3つの種類があり、受給する年金の種類によって変わる仕組みです。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件は?
上記のうち「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの基礎年金(障害基礎年金または遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が「479万4000円」以下の方が対象です。
判定の際には、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。扶養親族の数に応じて金額が加算されます。
「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件は?
一方で老齢年金生活者支援給付金の対象になるのは、次の3つの要件をすべて満たす方です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が、昭和31年4月2日以後生まれの方は「90万9000円」以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は「90万6700円」以下
老齢年金生活者支援給付金でも、判定対象に障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれません。
また「基準額ぎりぎりで対象になる方」と「わずかに超えて対象外となる方」のあいだで不公平感が生じないように、後者には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が用意されています。
【あと一歩の人へ】補足的老齢年金生活者支援給付金とは?
1956(昭和31)年4月2日以後生まれの方で、前年の年金収入金額とその他の所得の合計額が「80万9000円」を超え「90万9000円」以下である場合に、補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。
1956年4月1日以前生まれの方は、「80万6700円」を超え「90万6700円」以下が対象範囲です。
所得が増えるほど、補足的給付金の金額は段階的に少なくなっていく仕組みです。
年金生活者支援給付金は課税されるの?
給付金が受け取れるのはうれしいものの、「収入が増えた分、税金や保険料も上がるのでは」と気になる方もいるかもしれません。
結論から言うと、年金生活者支援給付金は所得税および復興特別所得税の課税対象ではありません。住民税や社会保険料の計算にも影響しないため、その点は安心して受け取れます。
次章からは気になる「年金生活者支援給付金の給付額」を見ていきましょう。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在はLIMO編集部で年金・貯蓄・退職金等の金融情報を発信。

