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年金生活者支援給付金、夫婦で「2万2480円」「3万4776円」振り込まれるケースとは?対象者と請求手続きを確認

執筆者 太田 彩子 LIMO&ファイナンス編集部記者
07:00
年金生活者支援給付金、夫婦で「2万2480円」「3万4776円」振り込まれるケースとは?対象者と請求手続きを確認

物価高が続くなか、年金収入だけで毎月の暮らしを回していくのは想像以上に骨の折れることだと感じている方もいるはずです。

厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、令和8年度は公的年金本体とあわせて、年金生活者支援給付金も3.2%の引き上げが決まりました。

老齢年金生活者支援給付金の月額基準額は5620円であるため、夫婦そろって対象となれば、年金支給日には2カ月分の合計2万2480円が振り込まれるケースもあります。

この記事では、年金生活者支援給付金の対象になる方の要件、令和8年度の支給額、請求手続きのスケジュールを、かつて自治体の窓口で社会保障制度を扱っていた立場からの注意点も交えて整理していきます。

【年金生活者支援給付金】どんな制度?気になる財源も確認

「年金生活者支援給付金」は、公的年金やその他の所得を加えた合計が一定の基準額に届かない方を対象に、年金にあわせて支給される給付金です。

制度自体は2019年10月に開始された、比較的歴史の浅い支援です。

給付金の財源は当時行われた消費税の増税分でまかなわれており、その仕組みは「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」のなかにはっきりと明記されています。

「年金生活者支援給付金の支給に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。」 引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」

基礎年金には「老齢」「障害」「遺族」の3種類があり、それぞれに対応する形で給付金が用意されています。

支給要件を満たした方には、2カ月に1度ある公的年金の支給日にあわせて、本体に上乗せされる形で振り込まれる仕組みです。

昨今では物価高の支援として度々給付金が支給されていますが、これらとは違って「継続して支給される」のが、年金生活者支援給付金の最大の特徴なのです。

【令和8年度】年金生活者支援給付金は3.2%増額!

年金生活者支援給付金の支給額は、公的年金本体と同じように、年度ごとに見直しが行われます。

令和8年度は3.2%の引き上げとなりました。

【月額推移】令和7年度から令和8年度の給付月額を種類別にチェック

2025年度(令和7年度)と2026年度(令和8年度)の月額を、給付金の種類ごとに見比べてみましょう。

年金生活者支援給付金の支給金額

年金生活者支援給付金の支給金額
出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円→5620円(※基準額)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級 6813円・2級 5450円→1級 7025円・2級 5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円→5620円

このうち老齢年金生活者支援給付金の金額は、あくまで基準額として示されているものです。

実際に振り込まれる金額は、保険料の納付済み期間や免除期間に応じて、人によって変わってきます。

「夫婦で2万2480円」が振り込まれるケースとは?

仮に夫婦そろって基準額どおり受け取れるケースを想定すると、月額の合計は1万1240円となります。

年金支給日には2カ月分がまとめて支給されるため、夫婦の合計額は「2万2480円」になる計算です。

「夫婦で3万4776円」が振り込まれるケースとは?

また「保険料の納付済期間が240月」+「保険料全額免除期間が240月」という場合、給付金額は月額8694円です。もし夫婦が同じ条件だった場合、年金支給日には夫婦合計で「3万4776円」振り込まれる計算になります。

公的年金の本体に上乗せされて継続的に受け取れる点は、家計の支えとして心強く感じられるはずです。

では、どのような方がこの給付金の対象となるのか、種類ごとに支給要件を見ていきましょう。

【対象者】年金生活者支援給付金は誰がもらえる?種類別に支給要件を整理

単に「収入が低い」というだけでは年金生活者支援給付金の支給対象になれません。家族構成や生年月日でも異なるのです。

ここでは年金生活者支援給付金の種類ごとに、対象となる要件を整理していきましょう。

年金生活者支援給付金の支給要件

年金生活者支援給付金の支給要件

年金生活者支援給付金の支給要件

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成

【老齢年金生活者支援給付金】受け取るための要件3つ

  • 65歳以上で、老齢基礎年金を受給していること
  • 同一世帯の全員が、市町村民税の課税対象外であること
  • 前年の公的年金などの収入額に、その他の所得を加えた合計が、昭和31年4月2日以降生まれの方は「80万9000円以下」、昭和31年4月1日以前生まれの方は「80万6700円以下」であること

※1 障害年金や遺族年金などの非課税収入は、上記の収入額の計算には含まれません。 ※2 所得の合計が基準を少しだけ上回る方(昭和31年4月2日以降生まれで「90万9000円以下」、昭和31年4月1日以前生まれで「90万6700円以下」)には、差額を埋める形で「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されることがあります。

【障害年金生活者支援給付金】受け取るための要件2つ

  • 障害基礎年金の受給者であること
  • 前年の所得が479万4000円以下であること(扶養親族の人数に応じて、基準額は増額されます)

※ 障害年金などの非課税収入は、所得の計算には含まれません。

【遺族年金生活者支援給付金】受け取るための要件2つ

  • 遺族基礎年金の受給者であること
  • 前年の所得が479万4000円以下であること(扶養親族の人数に応じて、基準額は増額されます)

※ 遺族年金などの非課税収入は、所得の計算には含まれません。

いずれの給付金でも、前年の所得額が支給の可否を左右する大切な物差しになっていることがわかります。

【要注意】年金生活者支援給付金は「申請手続き」が必須!

支給要件をすべて満たしていても、給付金は自動的には振り込まれません。受け取るためには、本人による「請求手続き」が必要になります。

とは言っても、請求自体は難しくありません。基本的には対象になると見込まれる方に書類が届くので、必要箇所に記載して返送するだけで、手続きは完了します。

ただし、請求書が送られる時期や書類の形式は、現在の年金受給状況によって変わります。該当する方が多いと考えられる2つのパターンを紹介します。

これから基礎年金を初めて請求する方

老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ

老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ

出所:日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」

これから基礎年金を初めて受給する方の場合、受給権が発生する3カ月前に「年金請求書(事前送付用)」が送られてきます。この書類に、年金生活者支援給付金の請求書も同封されているので、まとめて年金事務所へ提出します。

ただし、提出できるのは受給開始年齢の誕生日の前日以降であることに注意しましょう。

年金は受給中だが新たに「年金生活者支援給付金」の対象となった方

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」

すでに年金を受給中という場合はさらに簡単です。

この場合は9月の第1営業日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されるので、届いた方は必要事項を記入のうえ、切手を貼って郵便ポストへ投函するだけです。

なお、2025年1月以降に65歳になった方で、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた場合は、電子申請でも申請可能です。

支給要件に該当しているかどうかが確認できない方には、「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」と、所得情報等を確認するための「所得状況届」がセットで送られるので、見逃さないように注意しましょう。

年金生活者支援給付金「申請手続き」のQ&A

ここでは申請手続きに関する、よくある疑問を見ていきます。

申請手続きは毎年必要なのか?

年金生活者支援給付金の支給対象になった方は、基本的に継続して受給できるため手続きは1度のみで大丈夫です。

ただし、支給要件を満たさなくなった場合は支給がストップします。再度対象となったときには改めて手続きが必要です。

請求書をなくしてしまったらどうする?

もし請求書をなくしてしまったら、給付金専用ダイヤルへ電話をかけて、請求書の再発行について相談してみることをおすすめします。

担当者の案内に沿って手続きを進めれば、再発行の対応を受けられます。

もし手続きの途中でわからない点が出てきたときは、最寄りの年金事務所に直接問い合わせてみるのも一つの方法です。

【まとめ】令和8年度の増額と請求手続き、どちらも自分の手で確かめておきたい

年金生活者支援給付金は、令和8年度に「3.2%」増額され、老齢の月額基準額は「5620円」となります。

世帯でなく個人で判定されるため、夫婦そろって対象となるケースでは2人分がしっかり上乗せされます。

ただし、この給付金は要件を満たしていても自動的に振り込まれるわけではありません。

制度を扱っていた経験から振り返ると、請求書が手元に届いていても提出を後回しにして、結果的に受け取りそびれるケースは決して少なくありませんでした。

新規請求の方は年金請求書と同封で届きますし、すでに年金を受給中で新たに対象となった方には、毎年9月以降にはがき型の請求書が届きます。

もし書類を紛失してしまった場合は、給付金専用ダイヤルや最寄りの年金事務所へ、早めに相談してみましょう。

所得基準にあと少しで届かない方には、差額を埋める形で「補足的老齢年金生活者支援給付金」が用意されています。自分は対象外と決めつけずに、一度確認してみてください。

※個別の質問やご相談はお受けできません。

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