若山 卓也
この記事はここがポイント
- 住宅ローン金利とNISA運用リターンの比較で、運用優先が家計増加の判断基準。
- 変動金利ローン金利上昇を考慮し、NISAと繰り上げ返済バランスの都度見直し。
- 教育資金は現金確保、NISAで円資産偏らずインフレに対応する資産形成。
【ご相談内容】住宅ローン返済中、繰り上げ返済とNISA運用どちらを優先すべき?
住宅ローンを抱えながらNISAで積立投資を続けているある会社員夫婦は、「住宅ローンは早く返さなきゃ」という焦りをずっと感じていました。
手元にまとまった資金や相続で受け取った資金があるたびに、それを繰り上げ返済に充てるべきか、それとも運用に回すべきか、判断がつかないまま迷いを重ねていたのです。
教育資金や将来の老後資金も別に準備しなければならず、住宅ローンの返済を急ぐあまり、他の資金計画に無理が生じるのではないかという不安もありました。銀行預金や国債の金利ではインフレに追いつかないと感じつつも、ローンを抱えたまま積極的に運用してよいものか、後ろめたさのようなものも拭えませんでした。
変動金利だからこその、金利上昇への不安
住宅ローンの返済中にNISAをどう活用すればよいのか、繰り上げ返済と運用のどちらを優先すべきかという判断軸が定まらないまま、まとまった資金だけが手元に置かれる状態が続いていました。
金利が変動する住宅ローンだからこそ、今後の金利上昇にどう備えるかも気がかりだったといいます。
返済負担が増えるかもしれないという不安を抱えたまま、資金をどう動かすべきか判断できない状態が長引いていました。
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格及びFP2級保有。住友生命出身。現在はIFAとして、若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けたファイナンシャルプラニングから投資信託・債券・保険を活用した個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。
監修者
この著者の記事一覧三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行で15年以上のキャリアを築き、自身も20年以上の投資経験を持つ。現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『LIMO』でお金に関する記事を企画・執筆・監修中。
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FPからの「金利差とインフレ」で考えるアドバイス
この方の悩みは、「住宅ローンの金利」と「運用で期待できるリターン」を比較する軸で整理していくのが近道です。
住宅ローンの金利より運用のリターンの方が高いと見込める場合、繰り上げ返済を急ぐよりも運用に資金を振り向ける方が、結果的に家計全体を効率よく増やせることがあります。
特に低金利で住宅ローンを組んでいる場合は、無理に前倒しで返すよりも、その分を長期の資産形成に回す余地があるといえるでしょう。
一方で、変動金利である以上、今後の金利上昇に備える視点も欠かせません。
手元の資金をすべて繰り上げ返済に投じてしまうと、インフレや金利上昇に運用で対応する余地がなくなってしまいます。返済と運用、どちらか一方に極端に振るのではなく、バランスを都度見直していく姿勢が大切です。
次のページでは、この夫婦がたどり着いた、住宅ローン返済中にNISAを活用するための具体的な考え方を解説します。