遺族厚生年金の見直し、影響を「受ける人」と「受けない人」
今回の見直しによって、ライフプランの見直しが必要な人とそうでない人がはっきりと分かれます。特に「年齢」と「性別」によって、影響の中身がまったく異なる点がポイントです。
給付が縮小する影響を受ける人
- 2028年度時点で40歳未満の女性(子なし)
若くしてパートナーを亡くした場合、子どもが18歳を過ぎた後、65歳になるまでの期間の遺族年金が終身給付から5年間の有期給付に短縮されます。
5年間は現行の約1.3倍に増額されますが、その後は収入状況に応じた継続給付の対象となるかどうかも踏まえ、生命保険や貯蓄で不足分を補っておく必要があります。
※2028年4月から20年かけて段階的に実施予定です。
新たに給付の対象になる人(拡充)
- 子のない20〜50代の男性(夫)
現行制度では55歳未満の夫は遺族厚生年金を受け取れませんでしたが、改正後は新たに5年間の有期給付が受けられるようになります。これはネガティブな変化ではなく、これまでの男女差が是正されるプラスの拡充です。
影響を受けない人
- 2028年度時点で40歳以上の女性 ※20年かけて段階的に引き上げられるため、2028年時点で40歳以上の女性は新制度の対象にはならず、現行制度(終身給付)のまま守られます。
- すでに遺族年金を受給している人
- 配偶者が亡くなった時点で60歳以上の人
※どの世代であっても「子どもが18歳未満の期間」については、子の加算額が増額され、現行制度よりさらに手厚い保障が受けられます。
まとめ
2028年4月、遺族厚生年金の見直しが行われます。
年齢や家族構成により、影響の有無やその度合いが異なりますので、自分の場合はどうなるのか?を確認しておきましょう。
ご自身の、ご家族の「もしものとき」を想定し、国がどこまで守ってくれるのかを知っておくことは、ライフプランを立てる上で不可欠です。
公的な支援でカバーできない部分は、それぞれで備えておく必要があるからです。
家族の安心のために、生命保険の保障額や資産の状況などを把握し、適宜見直していきましょう。
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PROFILE
一種外務員資格(証券外務員一種)。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて後方事務や法人営業部門のアシスタント事務を経験。その後、三井住友信託銀行に転職し、資産運用アドバイザー業務に約10年間従事。現役世代からシニア層、富裕層まで延べ1000名以上の個人顧客に対し、資産運用コンサルティングや承継対策を提案。社内表彰歴多数。
15年以上の金融機関キャリアに加え、自身も20年以上の投資経験(投資信託・株式・FX・金など)を持つ。現在は、くらしとお金の経済メディア『LIMO(リーモ)』、および専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』にて、企画・執筆・編集・監修を幅広く担当している。
金融のプロ・現役投資家・生活者(出産・育児経験)の3つの視点から、NISAや投資信託をはじめとするファイナンス領域を主軸に、その土台となる年金制度や社会保障、住宅ローン、相続まで横断的に分かりやすく解説。
