この記事はここがポイント
- 65歳以上の公的介護保険自己負担は、年金収入340万円以上で最高3割となる。
- 厚生労働省は2026年7月、介護予防推進を目的とする「U.E.N.O.Plan」を公表した。
- 介護保険料は2000年の2911円から現在6225円へ約2倍上昇、自助努力が不可欠である。
筆者は生命保険会社に勤務経験があるFPです。生命保険の仕事を通じて、ご高齢のお客さまやそのご家族から、介護に関するお金のご相談を伺う機会が多くありました。
その中で時おり耳にしたのが、「いざ介護が始まってみたら、自己負担が想像より大きくて少し驚いてしまった」という声です。
公的な介護保険というと、「利用料は1割負担で済む」というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。制度が複雑なこともあり、そう思われるのも無理はありません。ただ、実は65歳以上で一定の所得がある場合、ご負担が「2割」や「3割」になるケースもあります。
「いざという時に慌てないよう、前もって知っておきたかったな」——現場でそんなつぶやきに触れてきたからこそ、少しでも早く皆さまに制度の仕組みをお伝えできればと思っています。
この記事では、どんな方の自己負担が「3割」になるのか、具体的な目安をわかりやすく解説します。
【公的介護保険】65歳以上「1号」と40~64歳「2号」で異なる受給要件とは?
介護保険は「高齢者の介護を社会全体で支え合う」ため、2000年に始まった制度です。単なる身の回りの世話にと則らず「高齢者の自立支援」を理念としています。
「65歳以上」と「40~64歳」で異なるサービス利用の要件
介護保険制度の被保険者(加入者)
対象者は以下の2種類に分かれますが、サービスを受けられる要件が異なります。
- 第1号被保険者(65歳以上):原因を問わず要介護・要支援認定で利用可能。
- 第2号被保険者(40歳〜64歳の医療保険加入者):末期がんや関節リウマチなど、加齢に起因する「特定疾病」による場合に限定。
【公的介護保険】65歳以上で「3割」になるのはどんな人?所得で変わる自己負担割合。
介護保険制度における利用者負担
要介護認定を受けると、原則として費用の1割の自己負担でサービスを利用できますが、一定以上の所得がある人は2割または3割負担となります。
なお、この所得に応じた負担増のルールは65歳以上の「第1号被保険者」が対象であり、40歳〜64歳の「第2号被保険者」は所得に関わらず一律1割負担となります。
65歳以上の人(単身の場合)の自己負担割合の目安は以下の一覧表の通りです。
- 1割負担:年金収入など280万円未満(本人の合計所得金額160万円未満)
- 2割負担:年金収入など280万円以上(本人の合計所得金額160万円以上)
- 3割負担(最高負担):年金収入など340万円以上(本人の合計所得金額220万円以上)
なお、特別養護老人ホームなどの施設サービスを利用する際は、これらの介護費用とは別に、居住費や食費などの日常生活費も原則として自己負担となります。
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格及び相続診断士。ジブラルタ生命出身。現在はIFAとして、若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けたファイナンシャルプラニングから投資信託・債券・保険を活用した個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。
元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
