この記事はここがポイント
- 相続税課税割合10.4%、10人に1人以上が対象の時代。
- 贈与税28.0%増の5038億円、加算期間延長が生前贈与加速の背景。
- 家族資産把握と、生前贈与・保険非課税枠活用による早期対策が肝要。
まもなくお盆を迎え、実家に帰省してご家族で顔を合わせるという方も多いのではないでしょうか。
私は銀行員時代、数多くのご家庭の相続手続きに立ち会ってきましたが、実はこの「お盆の帰省」こそが、将来の資産について話し合う絶好のタイミングなのです。
今年6月に内閣府から公表された最新の「高齢社会白書」によると、シニア世代の貯蓄中央値は1658万円(全世帯の1.4倍)にのぼり、国内の金融資産の「約6割」を60歳以上の世代が保有しています。親世代が懸命に築いたこの資産を、いかに目減りさせることなく引き継ぐか。最新の税務データからは、課税ルールの変化にいち早く気づいた世帯が、すでに行動を起こしている実態が見えてきます。
【贈与税額28%急増】申告額5038億円!税制改正で加速する「生前贈与」
国税庁の発表によると、贈与税の申告人員は47万人と微減したものの、申告納税額は5038億円と前年比28.0%も急増しました。特に利用者の多い「暦年課税(年間110万円の基礎控除を利用する一般的な贈与)」では、1人当たりの納税額が前年の100万円から133万円へと大幅に上昇しています。
《贈与税》の申告状況
なぜ今、生前贈与が急増しているのか?
生前贈与の加算期間(相続財産への持ち戻し期間)が「3年から7年に延長」されるなどのルール改正を受け、「親が元気なうちに、早期にまとまった額を次世代へ移転させよう」とする世帯の合理的な行動変容が伺えます。
また、子や孫への「住宅取得等資金の非課税」の適用額も前年比19.1%増の3779億円と大きく伸びており、シニア層の資金が次世代のライフイベントを支える形で流動化しています。
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格及びFP2級保有。地方銀行出身。現在はIFAとして、若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けたファイナンシャルプラニングから投資信託・債券・保険を活用した個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。
元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
