【遺族厚生年金の改正】影響を受けるのはどんな人?
今回の改正で影響を受けるのは、主に以下の方です。
- 2028年度末時点で40歳未満、かつ18歳年度末までの子どもがいない女性
- 18歳年度末までの子どもがいない60歳未満の男性
女性の場合、遺族年金改正の施行直後に原則5年の有期給付となるのは、2028年度末時点で40歳未満かつ18歳年度末までの子がいない30代の女性です。厚生労働省によると、新たに対象となる30代の女性は推計で年間約250人とのことです。
男性の場合、子どものいない60歳未満の男性が5年間の有期給付の対象になります。こちらは、推計で約1万6000人が該当するとされています。
なお、女性の対象年齢については2028年4月から20年かけて段階的に引き上げられていく予定です。
【遺族厚生年金の改正】影響を受けないのはどんな人?
以下に該当する方は、今回の改正による影響はありません。
- 既に遺族厚生年金を受給している方
- 60歳以降に遺族厚生年金の受給権が発生する方
- 18歳年度末までのこどもを養育する間にある方の給付内容
- 2028年度に40歳以上になる女性
既に遺族厚生年金を受給している方は、今後も遺族厚生年金を無期給付で受け取り続けることができます。
また、子どもがいる期間中は遺族基礎年金が優先されるため、18歳年度末までの子どもを養育している間は、配偶者自身の5年間の受給枠は消費されません。
子どもがいる場合の加算額が増額される
今回の改正では、子どもがいる場合の加算額も見直されます。
現行制度では、第1子・第2子への加算額と第3子以降の加算額に差が設けられていました。たとえば2024年度時点では、第1子・第2子が各23万4800円であるのに対し、第3子以降は7万8300円と約3分の1にとどまっていました。
今回の改正後は、第3子以降の加算額も第1子・第2子と同額の一律28万1700円に引き上げられ、これにより多子世帯への支援が手厚くなる見込みです。
児童手当の支給額改定
【元銀行員から解説ポイント】5年後の生活を守るための備えを
公的年金制度は、老後の生活だけでなく病気や障害、死亡といった予期せぬ事態から生活を守るセーフティネットでもあります。遺族年金は「自分には関係のない制度」と感じる方も多いですが、配偶者との死別は、いつだれの身に起きるか分かりません。
今回の改正で特に注意が必要なのは、これまで終身受給を前提に生活設計を考えていた方への影響です。
子どものいない40代未満の女性が配偶者を亡くした場合、改正後は5年間で遺族厚生年金の給付が終了します。「5年後の生活をどう支えるか」という視点で、万が一のライフプランを考えておく必要があります。
一方で、年収850万円以上でも受給可能になるなど、制度として拡充される面もあります。今回の改正の内容を「自分のライフプランにどう影響するか」という視点を持ちながら理解を深めておきましょう。
参考資料
大学卒業後、銀行に10年間勤務。個人・法人営業として投資信託や保険等の提案・販売に従事。現在はその経験を活かし、金融専門ライターとして活動中。2級FP技能士など保有。
