この記事はここがポイント
- 2026年度の年金額は増額改定、夫婦2人分の標準モデルが月額23万7279円へのアップ
- 80歳代の70%以上が通院するシニア世代の実態、高血圧症や糖尿病が上位傷病
- 公的保障の把握、新NISA活用、医療保険見直しによる将来の医療費リスクへの備え
7月も最終日となり、これからの暮らしや資産管理について見直しを始めている方も多いのではないでしょうか。
筆者はかつて日本郵便でリテール営業に従事していた頃、年金支給日になると多くのお客さまの通帳記入や資産運用の相談に乗ってきました。
窓口で「今月は少し増えたよ」「でも病院代ですぐ消えちゃうわ」といったリアルな声に触れる中で、シニア世代が抱える「受け取れる年金額」と「将来の医療費」に対する不安の大きさを肌で感じてきました。
2026年度は国民年金と厚生年金がともに増額改定となり、6月から新金額での支給が始まっています。ただ、税制改正による基礎控除の引き上げなどもあり、最終的な手取り額の計算は例年より複雑になっています。今回は、厚生労働省や日本年金機構の最新データをもとに、年金改定のリアルと、そこから見据えるべき将来の健康リスクについて解説します。
【2026年度・年金改定】夫婦2人分の標準モデル「月額23.7万円」へアップ!
2026年度の年金額は前年度から引き上げられ、国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の増額となりました。この改定後の年金額は、4月・5月分を合算して支給される6月支給分から実際に反映されています。
- 国民年金(老齢基礎年金の満額1人分):7万608円(+1300円)
- 厚生年金(夫婦2人分の標準モデル):23万7279円(+4495円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額7万408円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
老後に受け取る年金額は、現役時代の年金加入状況により人それぞれです。ここでは、60歳~90歳以上のすべての受給権者について、厚生年金と国民年金の受給額分布を見ていきます。
- 〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金の金額を含む
男女の平均を比較すると、男性16万9967円、女性11万1413円で、6万円近い開きが見られます。
一方、国民年金の平均年金月額は全体で5万円台です。男性は6万円台、女性は5万円台と4000円ほどの男女差がありますが、「6万円以上~7万円未満」が最も厚い受給層となっており、多くの人が満額に近い年金額を受け取っていることが読み取れます。
年金が増額されることは家計にとって嬉しいニュースですが、シニア世代の生活設計において忘れてはならないのが「医療費」の負担です。
ここからは、将来の支出増加リスクを予測するために、最新の調査データから見える日本人の健康状態と通院事情を確認していきましょう。
元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
