債券ニュース

【利回り3%超も】みずほFGが2本立ての個人向け劣後債を準備、前回債から利率大幅アップの「仮条件」をローンチ前にチェック

実質5年の「10NC5」と10年固定「ブレット型」の特徴から、投資家が今こそ知るべき「年限・特約」の基本まで債券ジャーナリストが徹底解説

執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
14:00

【徹底比較】ベース金利の急上昇で前回債(昨年10月)から大幅アップ!

今回の仮条件が前回債対比でこれほど高い水準になっている背景には、日本の国債金利(ベース金利)の劇的な上昇があります。

みずほFGが前回(2025年10月16日)に個人向けとして発行した「第32回債」「第33回債」の実績と、同じタイプ同士でベース金利を含めて徹底比較してみましょう。

10年ブレット型(前回 第32回債 vs 今回 第34回債)

ベース金利(10年国債金利)の比較: 前回ローンチ時(2025年10月中旬)はおよそ 1.6%台半ばだったのに対し、現在(2026年6月下旬)は 2.6%台後半まで大幅に上昇しています。

劣後債の利率の比較

  • 前回(第32回):2.347%
  • 今回(第34回):3.050~3.650%(仮条件)

ベースとなる10年長期金利が1ポイント以上も切り上がったことを受け、今回の第34回債は仮条件の「下限(3.050%)」であっても前回実績を大きく上回っています。

上限の3.650%近辺で決まれば、前回より1.2〜1.3ポイントも高い利回りを10年間ロックできることになります。

10NC5型(前回 第33回債 vs 今回 第35回債)

ベース金利(5年国債金利)の比較: 前回ローンチ時(2025年10月中旬)はおよそ 1.2%前後だったのに対し、現在(2026年6月下旬)は1.9%程度へと大きく切り上がっています。

劣後債の当初5年間の利率の比較

  • 前回(第33回):1.820%
  • 今回(第35回):2.300~2.900%(仮条件)

中期的な指標となる5年国債金利も約0.7ポイント程度上昇したため、当初5年間の固定金利水準が大幅に引き上げられました。前回債の1.820%に対し、今回の仮条件の上限は2.900%に設定されており、金利のある世界へ戻った恩恵を強く実感できる設計になっています。

【深掘り】「SBG債」となぜこれほど利率がちがうのか?

直近の個人向け劣後債市場を振り返ると、ソフトバンクグループ(SBG)が6月19日に発行した社債(当初利率5.12%)が大きな話題となりました(※すでに募集が終了しているため、現在は購入できません)。

期限前償還条項が付いているタイプの券種で比較すると「みずほFGの3%台に比べて、ソフトバンクグループの5%台の方が断然お得だったのでは?」と思うかもしれません。

しかし、実はこの2銘柄は単純比較できない「仕組みの違い」があるのです。ぜひこの違いを学んで、今後債券投資を検討する際に役立ててください。

利率差が生まれた理由は主に2つあります。

「年限(期間)」の違いによるプレミアム

みずほFGが「10年満期」であるのに対し、SBG債は「35年満期(35NC5)」という超長期の債券でした。

債券投資の大原則として、「期間が長いほど、将来の不確実性リスクが高くなるため、金利を高く上乗せしなければならない(期間プレミアム)」というルールがあります。

5%台という高金利は、35年という超長期でお金を拘束される可能性があるリスクの裏返しだったのです。

 信用度を示す「格付け」の差

債券の安全性の目安となる格付けにおいて、みずほFG債はAA-(R&I/JCR)という極めて高い信用度を得ているのに対し、SBG債はBBB+(JCR、投資適格の下限に近い水準)でした。

この債券としての4ノッチ(段階)もの信用リスクの差が、そのまま利率の差として反映されています。

高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者

関連タグ