個人向け国債は全タイプで金利アップ、3%台の地方債も登場した7月マーケット徹底解説
Ekahardiwito/Shutterstock.com
債券ニュース

個人向け国債は全タイプで金利アップ、3%台の地方債も登場した7月マーケット徹底解説

8月募集スケジュールから「利回り差の真相」、新NISA組み込み構想のインパクトまで

執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
22:30
個人向け国債は全タイプで金利アップ、3%台の地方債も登場した7月マーケット徹底解説
Ekahardiwito/Shutterstock.com

この記事はここがポイント

  • 7月募集の個人向け国債は変動10年1.80%など全タイプで利率上昇
  • 「骨太の方針2026」で個人向け国債の魅力向上と新NISA組み込み構想、政策的後押しに期待
  • 8月募集の個人向け国債は8月5日に条件決定、募集は8月6日から31日まで

国内の長期金利がじわじわと切り上がる局面において、2026年7月募集の個人向け国債は、各タイプ揃って適用金利が引き上げられる結果となりました。

こうした動きと軌を一にするように、7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2026(骨太の方方針)」では、国内の個人マネーを呼び込む施策として「個人向け国債の魅力向上」が明確に打ち出されました。

購入時の利便性や商品設計を見直すことで個人投資家を定着させ、日本の成長を支える資金基盤を強固にする狙いです。

さらに、新NISA制度の対象へ組み込む構想が浮上するなど政策的な後押しも期待されており、資産形成における「債券」の役割が改めて脚光を浴びています。

一方で、市場全体に目を転じると、高市政権が推進する積極財政に伴う財政規律への懸念から、金利には引き続き上振れ圧力が残っています。

足元の指標となる10年物国債の利回りは2.7%台後半と一服感を見せているものの、投資家の関心が高い「変動10年」の次回利率は、8月4日に予定されている新発10年国債の入札結果次第で決まります。

その着地水準が次の大きな注目点となるでしょう。

そこでこの記事では、7月募集分における個人向け国債の動きの振り返りと8月の発行日程に加え、足元における地方債の動向および8月の発行予定まで、幅広く整理して解説していきます。

個人向け国債、7月募集分は3タイプすべてで金利アップ

2026年7月3日、財務省から個人向け国債の発行条件が発表されました。6月募集分と比較すると、変動10年・固定5年・固定3年のいずれも利率が上昇しています。

7月募集分の募集期間は2026年7月6日~7月31日、発行日は2026年8月17日です。

2026年7月募集分(概要)

  • 変動10年:1.74%(6月募集分)→1.80%(+0.06%)
  • 固定5年:1.86%(同)→1.95%(+0.09%)
  • 固定3年:1.51%(同)→1.56%(+0.05%)

個人向け国債の利回り比較

個人向け国債の利回り比較
出所:各資料より筆者作成1/1

7月債の傾向として、固定5年の伸びがやや大きかったことが挙げられます。

いずれのタイプも年率0.05%の最低金利保証がある点は変わらず、変動10年は半年ごとに適用利率が見直され、固定5年・固定3年は満期まで発行時の利率が変わらないという基本的な仕組みも従来通りです。

8月募集分のスケジュールを先取りチェック

8月分は、8月4日に実施される国債入札の結果を受けて、翌8月5日に発行条件が決定される予定です。

募集期間は2026年8月6日~8月31日、発行日は2026年9月15日を予定しています。

  • 国債入札:8月4日
  • 発行条件決定:8月5日
  • 募集期間:8月6日(木)〜8月31日(月)
  • 発行日:9月15日(火)

7月にかけて3タイプとも利率が上昇してきた流れを踏まえると、8月5日に決定される水準にも注目が集まりそうです。

そもそも個人向け国債とは

個人向け国債は、国が個人投資家向けに発行する、いわば国の「借用証書」です。

1万円という少額から購入でき、中途換金の際も原則として元本割れしない設計(ただし直近2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた金額が「中途換金調整額」として差し引かれる)になっているため、預貯金に近い感覚で保有できる点が特徴です。

ただし発行から1年間は原則として中途換金できない点には注意が必要です。

Google で優先するソースとして追加

関連タグ

高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者