地方債の動き:共同債は3.027%、最も高い利率だったのは10日の愛知県債(3.067%)
7月の地方債(10年物・国債カーブ+20bpで決まった標準モデル)は、共同発行市場公募地方債(共同債)が7月7日に3.027%で条件決定したほか、都道府県・政令指定都市が個別に発行する地方債でも利率が出そろいました。
7月3日条件決定
- 宮城県/千葉県:2.982%
- 福井県/広島県:3.000%
- 札幌市:2.972%
- 千葉市:2.990%
7月8日条件決定
長崎県、横浜市:3.058%
7月10日条件決定
愛知県:3.067%
地方債の利回りに“ランキング”は存在しない、すべては条件決定時の国債金利次第
同じ「国債+0.20%(+20.0bp)」の上乗せ幅であっても利率や利回りに差が出るのは、自治体の信用力ではなく「値決め(プライシング)の手法やタイミング、基準となる国債金利」が異なるためです。
地方債の発行金利は、基本的に「その時点の国債金利+上乗せ幅」で決まります。
たとえ上乗せ幅が「+0.20%」で統一されていても、発行条件を決める日時によってベースとなる国債金利自体が日々変動するため、最終的な利率(利回り)に「2.972%〜3.067%」といった差が生じます。
したがって、「どの自治体の地方債を買えば一番お得か?」を事前に予測することはできません。
東京都債など一部の個別発行を除き、日本の地方債市場では多くの自治体が同じ上乗せ幅で一斉に発行する慣習があるためです。
利回りの違いは自治体の評価差ではなく、あくまで「条件決定した瞬間の市場金利の違い」に過ぎません。
少しでも高い利回りを目指す場合は、事前に予測しようとせず、発行条件が確定したあとに各銘柄の決定利回りを確認し、個人向けに販売されているラインナップの中から最も高いものを選ぶのが確実です。
なお、ここで挙げた銘柄がすべて個人向けに販売されたわけではなく、実際に購入できるかどうかは利用している証券会社の取扱いラインナップで確認する必要があります。
8月分の共同債は、条件決定予定日が8月6日、発行予定日は8月25日、償還予定日は2036年8月25日、期間10年、発行予定額は890億円です。
注意しておきたいポイント
- 個人向け国債:中途換金は発行から1年経過後に限られ、直近2回分の利子相当額(税引前)が差し引かれます
- 地方債:発行体(自治体)の信用力によって利率が異なり、国債に比べて流動性がやや低い場合があります。すべての銘柄が個人向けに販売されるわけではないため、購入前に取扱証券会社のラインナップを確認しましょう
- いずれも、購入を検討する際は最新の発行条件を財務省や地方債協会の公式発表で確認することをおすすめします
参考
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
