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「扶養を外れて働く?」厚生年金メインで月13万円のモデルも。働き方で女性の年金はどう変わる?

専業主婦・会社員・自営業《3つのモデルケース》で将来の受給目安を徹底比較

執筆者熊谷 良子編集者
22:06
「扶養を外れて働く?」厚生年金メインで月13万円のモデルも。働き方で女性の年金はどう変わる?

働き方で年金額は変わる?専業主婦・会社員・自営業、3つのモデルケースで比較

厚生労働省が公表している「多様なライフコースに応じた年金額(概算)」をもとに、より現実に近い女性の働き方別の年金受給額の目安を見ていきましょう。

ご自身の経歴と近いモデルケースを参考にしてみてください。

女性のライフコース別・年金月額の目安

ライフコース別《65歳以降の年金めやす》5つのパターン

ライフコース別《65歳以降の年金めやす》5つのパターン
出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」(色枠はLIMO編集部で加筆)

①キャリアを継続した女性(厚生年金中心)の場合

  • 想定: 平均年収約427万円で33年間就業
  • 年金月額の目安: 13万4640円

②自営業で働いた女性(国民年金中心)の場合

  • 想定: 厚生年金加入期間約6.5年
  • 年金月額の目安: 6万1771円

③専業主婦の期間が長かった女性(第3号被保険者中心)の場合

  • 想定:厚生年金加入期間約6.7年
  • 年金月額の目安: 7万8249円

男性のモデルケースと比較してわかること

現役時代の働き方によって、将来の年金額に数万円単位の差が生まれることがわかります。

さらに、同資料に示された男性のモデルケースと比較すると、男女間の受給額の違いも明確になります。

男性で「会社員経験が長い(厚生年金が中心)」ケースでは、平均収入50万9000円(年収約610万円)で39.8年就業したパターンが想定されており、年金月額の目安は17万6793円と試算されています。

キャリアを重ねた女性のモデル(13万4640円)と比べると、月額で約4万2000円の差があります。これは、就業期間の長さ(男性約40年、女性33年)や現役時代の平均年収の違いが影響していると考えられます。

一方で、「自営業・フリーランス(国民年金が中心)」の男性の目安は6万3513円であり、同じく国民年金が中心の女性(6万1771円)とは大きな差は見られません。

国民年金は加入期間に応じて計算されるため男女差が生じにくいですが、報酬比例の厚生年金では、就業期間や収入の差が老後の受給額に直接的に反映されます。

女性は出産や育児といったライフイベントにより就業期間が中断されたり、働き方を調整せざるを得ない時期が男性よりも生じやすいです。

これが、男女の厚生年金受給額に差が生まれる背景の一つと言えるでしょう。

「女性の働き方」と「老齢年金」はどう関係する?日本の年金制度の仕組み

日本の年金制度は、国内に住む20歳以上の方すべてに加入が義務付けられていますが、働き方によって加入する年金制度が異なります。

国民年金の被保険者は、働き方などに応じて「第1号被保険者」から「第3号被保険者」までの3種類に区分されます。

【図解】2階建ての年金制度

【図解】2階建ての年金制度
出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

多くの場合、20歳以降の学生時代は第1号被保険者として国民年金に加入し、その後会社員や公務員などとして就職すると厚生年金の加入対象となります。

結婚や出産、育児、親の介護といったライフステージの変化に直面した際、働き方を調整するのは依然として女性が多いのが現状です。

その結果、女性が専業主婦になったり、扶養内でパート勤務をしたりする場合、国民年金の対象となります。厚生年金の対象となる働き方を続けた場合と比べて、老後の年金にどれほどの差が生じるのでしょうか。

豊かな老後を迎えるために。2028年から変わる「遺族厚生年金」にも要注意

現在のシニア世代のデータやモデルケースを見て、「自分が思っていたよりも少ない」と感じた方もいるかもしれません。

それに加えて、今後の女性の資金計画に大きな影響を与えるのが「遺族厚生年金の見直し」です。

女性の就業率の向上などを背景に、2028年4月から遺族厚生年金の男女差を解消する制度改正が段階的に実施される予定です。

遺族厚生年金の見直しについて

遺族厚生年金の見直しについて
出所:厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」

現在、こどものいない女性が夫と死別した場合、30歳未満であれば5年間の有期給付ですが、30歳以上であれば一生涯(無期給付)遺族厚生年金を受け取ることができます。

しかし見直し後は、男女共通で「60歳未満での死別は原則5年間の有期給付」へと再編されます(配慮が必要な場合は5年目以降も給付継続)。

つまり、「夫に万が一のことがあっても、自分の年齢に関わらず遺族厚生年金が一生涯もらえる」というこれまでの前提が変わる世代が出てくるのです。

※ただし、以下に該当する方は今回の改正の対象外となり、2028年4月以降も現行の仕組みが維持されます。

  • 60歳以上で死別された方
  • こども(18歳になった年度末まで、または障害の状態にある場合は20歳未満)がいる方
  • 改正前から遺族厚生年金を受け取っていた方
  • 2028年度に40歳以上になる女性

まとめ:ライフプランの変化に合わせた老後資金の準備を

2026年度の公的年金はプラス改定となったものの、昨年の物価上昇には及ばず、実質的な目減りも懸念されています。

公的年金だけでゆとりある生活レベルを維持するのは簡単ではありません。

さらに、上述した遺族年金の有期給付化など、制度は時代に合わせて変化しています。

これからの時代は「配偶者の年金」に頼るだけでなく、ご自身の年金をいかに手厚くしていくかがより大切になります。

まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、現在の加入記録やご自身の将来の受給見込額を正確に把握することから始めましょう。

その上で、長く働き続けられる働き方を模索したり、預貯金や投資を活用した計画的な資産形成を今から進めていくことで、将来の安心につなげていけると良いですね。

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