この記事はここがポイント
- 「給付付き税額控除」は令和11年度から所得に応じ現金給付される個人単位制度だ。
- 令和8年度144.1兆円の社会保障給付費、国民負担増の中、給付と負担のバランスが課題だ。
- 働き方シミュレーションと予防医療が、豊かな暮らしと持続可能な社会保障の両立に繋がる。
令和8年(2026年)8月5日、政府は「給付付き税額控除」の制度導入に関する基本方針を閣議決定しました。
筆者はFP(ファイナンシャルプランナー)として家計相談をお受けしますが、「扶養を外れないようシフトを調整している」「働きたいけれど手取りが減りそうで不安」という切実なお悩みをよく伺います。意欲があるのに働き方をセーブしなければならないのは、大変もどかしいことですよね。
こうした働き控えを和らげる新しい仕組みが、令和11年度からいよいよ本格導入されます。今回は、私たちの手取りに直結する「新制度の仕組み」と、それを支える「社会保障の現在地」について、半分ずつの割合でわかりやすく解説します。
【令和11年度から導入予定】新しい働き方を応援!「給付付き税額控除」と「つなぎ措置」
税額控除=納税額から一定額を減らす
給付付き税額控除とは、納める税金から一定額を差し引き、引ききれなかった分を「現金」で受け取れる仕組みです。令和11年度から導入予定の「所得に連動したきめ細かな給付」では、所得に合わせて以下の3つのステージが設けられます。
「所得に連動したきめ細かな給付」の本格導入のイメージ(中間とりまとめ(案) )
- 増えていく(逓増)ステージ:勤労性の所得が一定水準に達するまで、所得の増加に合わせて給付額もアップします。
- キープされる(定額)ステージ:所得が一定水準を超えると、給付額は一律の「定額」で安定します。
- 減っていく(逓減・消失)ステージ:さらに所得が高くなると、公平性の観点から給付額が少しずつ減り、最終的には消失します。
この制度は「世帯」ではなく「個人単位」で設計されており、フリーランスの方や働くシニア世代も広く対象となります。また、18歳以下のこどもの人数に応じた加算なども検討されており、子育て世帯にも優しい設計です。
令和9年4月からの「つなぎ措置」にも注目!
令和9年4月「飲⾷料品に係る消費税率1%」
本格導入までの「経過措置(つなぎ)」として、令和9年4月から2年間、軽減税率対象の飲食料品に係る消費税率が「1%」に引き下げられます。さらに、公的機関のデータを活用した先行給付も行われ、全体として飲食料品の消費税負担が「実質ゼロ化」される見込みです(※対象は軽減税率適用のものに限られます)。
元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
