高齢者世帯の「41.3%」が所得の全部を年金に頼る現実…厚生年金と国民年金、受給差は月約9万円
metamorworks/shutterstock.com
執筆者太田 彩子LIMO&ファイナンス編集部記者
14:30
高齢者世帯の「41.3%」が所得の全部を年金に頼る現実…厚生年金と国民年金、受給差は月約9万円
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この記事はここがポイント

  • 高齢者世帯の41.3%が所得の全部を公的年金に頼り、8割以上依存する世帯は58.4%にも上る実態
  • 厚生年金と国民年金の平均月額差は約9万858円で、老後20年では約2180万円もの大きな格差
  • 50代の平均所得814万円から70歳以上で405万円へ急減し、現役時代の働き方が老後に影響

現役時代の家計と老後の家計を比べたとき、収入が半分以下に落ち込む人も多いです。今の暮らしを守ることも大切ですが、老後の備えは早くから始めるに越したことはありません。という事実に、あらためて驚く方も多いのではないでしょうか。

厚生労働省が2026年7月に公表した最新の「2025年 国民生活基礎調査」によれば、50歳代世帯の平均所得は814万6000円である一方、高齢者世帯の平均所得は336万1000円にとどまったのです。

老後の収入源の中心は公的年金で、そこには「厚生年金」と「国民年金」の受給額差が重くのしかかります。

今回は、最新の国民生活基礎調査や「厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、両制度の受給額がどれくらい違うのかを実額で確認します。

「国民生活基礎調査の概況」という公的な最新データが届きました。高齢者世帯の所得の内訳や公的年金への依存度などを知れる統計調査ですが、ここからも老後の格差状況が見てとれます。

現役世代の私たちができることは、こうした資料を見て「過度に不安を感じる」のではなく、そのために知るべき「年金」や「公的制度」を積極的に調べることです。

知ることが行動にもつながります。私も公務員時代はさまざまな住民の方の相談に乗ってきましたが、その多くは「制度が複雑で『分からない』ことからくる不安」が原因でした。

ひとつひとつ紐解いていきましょう。

【世帯主年齢別】50歳代の814万円がピーク、高齢期は405万円まで急減

厚生労働省「2025年 国民生活基礎調査」によると、世帯主の年齢階級別に見た1世帯当たり平均所得は、次のとおり大きな山を描きます(2024年の所得)。

世帯主の年齢階級別の所得

世帯主の年齢階級別の所得
出所:厚生労働省「2025年 国民生活基礎調査」
  • 29歳以下:364万3000円
  • 30〜39歳:646万9000円
  • 40〜49歳:761万8000円
  • 50〜59歳:814万6000円(ピーク)
  • 60〜69歳:617万円
  • 70歳以上:405万円
  • 65歳以上(再掲):442万2000円

50歳代の814万6000円をピークに、60歳代で約200万円、70歳以上でさらに約210万円ずつ収入が落ち込みます。定年後の再雇用や年金への切り替わりが、そのまま所得のカーブに現れる構図だと言えます。

高齢者世帯の所得、6割超が「公的年金・恩給」

同資料では、高齢者世帯の平均所得336万1000円であることもわかっています。これらはどのような収入で構成されているのでしょうか。同調査の各種世帯の所得構成割合を、全世帯と比較して整理します。

各種世帯の1世帯当たり平均所得金額の年次推移

世帯主の年齢階級別の所得
出所:厚生労働省「2025年 国民生活基礎調査」

全世帯の所得構成割合

  • 稼働所得(給与・事業所得など):74.1%
  • 公的年金・恩給:19.4%
  • 財産所得・その他:6.5%

高齢者世帯の所得構成割合

  • 稼働所得:25.9%
  • 公的年金・恩給:61.3%
  • 財産所得・仕送り・その他:12.8%

全世帯の平均では稼働所得が74.1%と大半を占める一方、高齢者世帯では公的年金・恩給が61.3%となっています。

稼働所得25.9%は再雇用やパートなど継続就労による収入で、これも老後の家計を支える収入源ではありますが、やはり「年金が主、勤労収入が従」という構造と言えるでしょう。

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