基準に届かないときは「セルフメディケーション税制」
医療費が通常の医療費控除の基準額に届かない場合は、「セルフメディケーション税制」という特例制度も確認してみましょう。
セルフメディケーション税制について
これは、勤務先での定期健康診断や予防接種など、健康の保持増進に一定の取り組みを行っている方が、厚生労働省が指定する対象医薬品(市販薬)を購入した際に利用できる制度です。
- 対象医薬品の購入額 - 保険金などで補てんされた金額 - 1万2000円 = 控除額(上限8万8000円)
注意点として、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は同時に利用(併用)することはできません。ご自身にとって有利な方をひとつだけ選んで申告する仕組みです。一度選択して申告すると、後からもう一方へ変更することはできないため、事前によく比較することが大切です。
まとめにかえて
今回は医療費控除の仕組みと計算方法、そしてセルフメディケーション税制について解説しました。 医療費控除は「年間10万円を超えないと使えない」という思い込みで、申告を諦めてしまう方が少なくありません。
ご自身の所得によっては10万円以下でも対象になるケースがあること、そして市販薬の購入費が対象になる特例制度があることを知っておくだけで、家計の防衛につながります。日頃から医療費の領収書やレシートを整理しておく習慣をつけておきましょう。
医療費控除は自動的に適用されるものではなく、会社員の方でもご自身で確定申告をする必要があります。
最近はスマートフォンのカメラで源泉徴収票を読み取ったり、マイナポータルと連携して医療費データを自動取得したりと、手続きが非常に簡単になりました。手元に残る領収書は5年間の保管義務がありますので、月ごとに封筒にまとめるなど、無理のない範囲で管理を始めてみてくださいね。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
