年間144.1兆円!社会保障給付費のリアル「給付と負担」のバランスをみる
新制度によって私たちの暮らしがサポートされる一方で、これらの支援の土台となる「社会保障制度」全体に目を向けることも同じくらい重要です。
社会保障の給付と負担の現状
私たちが安心して暮らすための医療、年金、介護、子育て支援などの社会保障サービスには、多額のお金がかかっています。2026年度(令和8年度)予算ベースで見ると、社会保障給付費はなんと144.1兆円。
これは国の経済規模(GDP)の20.8%にあたる巨大な金額です。私たちが病気になったときに窓口負担が少なく済むのも、充実した行政サービスを受けられるのも、この144.1兆円の給付費があるからです。
「給付」と「負担」のバランスという課題
こうした手厚い「給付」を維持するための財源は、私たちが毎月納めている「保険料」と、多額の「公費(税金)」で賄われています。社会保障費は高齢化に伴い年々増加しており、それに伴って私たちの国民負担率(収入に対する税金や社会保険料の割合)も増加しています。「手取りを増やすための新制度」がスタートする一方で、国としては「過度な負担とならないための不断の検討」を続けている状態です。
将来の世代へツケを先送りしないためには、「自分がもらえるお金(給付)」だけでなく、「みんなでどう支え合うか(負担)」のバランスを、私たち一人ひとりが意識していく必要があります。
まとめにかえて
今回は給付付き税額控除のしくみから社会保障の給付と負担について解説しました。新しい制度と社会保障の全体像を知ったうえで、今日から実践できる実用的なステップ(How-to)を2つお伝えします。
①「働き方」の選択肢をシミュレーションする
新制度の導入を見据え、「年収の壁」を気にせず働いた場合の手取りや、将来受け取れる年金額を家族で計算してみましょう。長期的なキャリアのプラス面が見えてきます。
②給与明細の「控除欄」に関心を持ち、健康づくりをする
毎月引かれている社会保険料が、144.1兆円の社会保障を支える大切な財源であることを意識してみてください。そのうえで、定期健診に行くなど「予防医療」に努めることは、ご自身の健康を守るだけでなく、社会全体の医療費負担を抑えることにもつながります。
個人の豊かな暮らしと、持続可能な社会保障。その両立に向けて、正しい知識を味方につけていきましょう。
参考資料
元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
