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【オルカン vs S&P500】目論見書で読み解く「4つのポイント」それぞれのファンド「どのような人に向いている?」

「資産形成のプロ」ファイナンシャルアドバイザーが解説

執筆者筒井 亮鳳ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/TLC
監修者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者
17:30

比較ポイント3:運用実績(値動き、純資産総額、騰落率など)

2026年6月30日現在の最新月次レポートに掲載されている実績データです。なお、どちらのファンドも信託財産の成長を最優先させるため、分配金実績は「設定来0円」となっており、分配を抑制しています。

基準価額と純資産総額(2026年6月30日現在)

  • オルカン: 基準価額 38,017円 / 純資産総額 127,439.58億円
  • S&P500: 基準価額 44,399円 / 純資産総額 122,755.12億円

騰落率(分配金再投資、2026年6月30日現在)

  • 過去1カ月: オルカン +0.7% / S&P500 +0.3%
  • 過去3カ月: オルカン +18.2% / S&P500 +19.4%
  • 過去6カ月: オルカン +13.9% / S&P500 +12.3%
  • 過去1年: オルカン +38.2% / S&P500 +36.5%
  • 過去3年: オルカン +93.2% / S&P500 +95.9%
  • 設定来: オルカン +280.2% / S&P500 +344.0%

3年以上の長期保有では、好調な米国市場を背景にS&P500の騰落率が勝っていますが、直近1カ月や6カ月、1年などのスパンでは、全世界に分散しているオルカンが上回る局面も見られます。

主な組入銘柄トップ5(2026年6月30日現在)

どちらも上位には、世界を牽引する巨大IT・ハイテク企業が名を連ねています。S&P500は米国のみに集中投資するため、オルカンに比べてトップ企業への組入比率(集中度)が高くなっているのが特徴です。

  • オルカン上位: 1位 NVIDIA(4.4%)、2位 APPLE(4.0%)、3位 MICROSOFT(2.5%)、4位 AMAZON(2.3%)、5位 ALPHABET CL A(2.0%)
  • S&P500上位: 1位 NVIDIA(7.3%)、2位 APPLE(6.4%)、3位 MICROSOFT(4.2%)、4位 AMAZON(3.6%)、5位 ALPHABET CL A(3.2%)

比較ポイント4:手数料(コスト)

業界最低水準のコスト運用を目指し続ける「eMAXIS Slimシリーズ」であるため、両者ともに極限まで手数料が抑えられています。購入時手数料および信託財産留保額(解約時費用)は、どちらも無料です。

運用管理費用(信託報酬)と実質コスト

  • オルカン: 年率0.05775%(税抜0.0525%)以内。直近の実績総経費率は0.07%。
  • S&P500: 年率0.08140%(税抜0.07400%)以内。直近の実績総経費率は0.08%。

どちらも純資産総額が一定額を超えるごとに手数料率が段階的に引き下がる「受益者還元型信託報酬」を採用しています。実質的なコスト合計で見ても、オルカンの方がわずかに低コストとなっています。

【オルカン vs S&P500】それぞれのファンド「どのような人に向いている?」

ここまでの比較を踏まえ、それぞれのファンドがどのような人に向いているのかをまとめました。どちらのファンドも新NISAの「つみたて投資枠」「成長投資枠」双方の対象となっており、長期の資産形成に最適な超低コストファンドです。ご自身の投資哲学やリスク許容度に合わせて選んでみてください。

「オルカン」が向いている人

  • 究極の分散投資がしたい人: 米国だけでなく、日本、ヨーロッパ、新興国など世界の成長を丸ごと享受したい。
  • 管理を完全に手放したい人: 将来的に米国一強の時代が終わり別の国が台頭してきた際にも、自動的に配分比率が調整されるため、リバランスの手間を省きたい。

「S&P500」が向いている人

  • 米国の成長を強く信じている人: 今後もイノベーションの中心であり続ける米国のポテンシャルに、最も効率よく投資したい。
  • 長期的なリターンを最大化したい人: これまでの実績に裏打ちされた米国のトップ500社の成長力に、より大きな比重を置いて資産を増やしたい。

銘柄選びの前に大切な「資産配分」の考え方

ここまでオルカンとS&P500のリターンや特徴について詳しく見てきました。

筆者である私は普段、個人向け資産運用アドバイザーとして従事しておりますが、お客様からもよく「オルカンか、S&P500か」というご質問をいただきます。

しかし、実際の資産運用において最も大事なポイントは、投資信託の「銘柄選び」よりも、株式と債券や預貯金といった「資産全体のバランス(アセットアロケーション)」にあります。自分自身のリスク許容度や年齢に合わせた資産運用について考えたうえで、まずはリスク資産(株)と安全資産(債券・預貯金)の適切なバランスを見つけてみることが重要です。

その土台を作ったうえで、どのような投資信託を購入するかを決めることで、より長期的に安定した資産形成を実現することができるでしょう。

村岸 理美
監修者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

新NISAは運用益が非課税となり、非課税保有限度額の範囲内で長期的な資産形成を後押ししてくれる制度です。オルカンとS&P500のどちらが優れているかではなく、ご自身のリスク許容度や運用方針に合った商品を選ぶことが大切です。

銘柄選びだけに目を向けるのではなく、預貯金や債券を含めた資産全体の配分も意識しながら、無理のない積立投資を続けていきましょう。

参考資料

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筒井 亮鳳ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/TLC
村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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