厚生年金は「平均15万円」でも、5人に1人は月10万円未満?【退職金×iDeCo】「10年ルール」で損をしやすいのは、実は年金が少ない人だった
Thinnapob Proongsak‗Shutterstock.com
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厚生年金は「平均15万円」でも、5人に1人は月10万円未満?【退職金×iDeCo】「10年ルール」で損をしやすいのは、実は年金が少ない人だった

2026年1月施行の退職所得控除改正が低年金層に与える影響を考察

執筆者渡邉 珠紀ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格
監修者中本 智恵LIMO&ファイナンス編集部記者
12:31
厚生年金は「平均15万円」でも、5人に1人は月10万円未満?【退職金×iDeCo】「10年ルール」で損をしやすいのは、実は年金が少ない人だった
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この記事はここがポイント

  • 2026年1月からの退職所得控除「10年ルール」改正は、年金が少ない層の退職金手取り減で二重の負担となる点。
  • 厚生年金平均月額は15万289円、約2割が月10万円未満で、平均値と実態にズレがある現状。
  • 2026年1月1日以降、iDeCo等と退職金の満額控除には、受給間隔を10年以上空ける必要性。

7月に入り本格的な暑さが間近に迫っていますね。例年猛暑が続く中、体調には気をつけたいものです。

夏休みに入ると家族サービスや帰省する方も多いですが、近年のインフレで交通費だけでも大きな出費となる方もいるでしょう。

物価上昇は特に年収が一般的に下がる年金生活者にとっては大きな負担となります。

筆者はファイナンシャル・アドバイザーとして日々お金の相談を受けますが、現役世代の方は年金がどのくらいもらえるのか知らない方が多いです。

知っている方も多いかもしれませんが、2026年1月から、退職金とiDeCo・企業型DCを両方受け取る際の「退職所得控除」のルールが変わりました。

多くの解説記事では「受け取る間隔を10年以上空けましょう」という一般論で終わっていますが、私はこの改正が特に厚生年金の受給額が少ない層に重くのしかかると見ています。今回はその理由を、年金の受給額分布データと照らし合わせながら解説します。

今回は将来のご自身にも直結する年金について詳しく解説していきます。

厚生年金と国民年金の合計で「月15万円以上」もらえる人はどのくらいの割合か

厚生労働省年金局が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者(男女計)の平均年金月額は15万289円です。

この金額には、1階部分である国民年金(老齢基礎年金)の額も含まれている点に注意が必要です。

先に結論から言うと、月15万円以上もらえている人はおよそ6割にとどまり、平均額だけを見て「みんな15万円前後もらえている」と考えるのは実態とズレがあります。

受給額階級別の人数分布は、以下のようになっています。

厚生年金の受給額別・受給権者数の分布

厚生年金の受給額

厚生年金の受給額
厚生年金の受給額
  • 1万円未満:4万3399人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4137人
  • 2万円以上~3万円未満:3万5397人
  • 3万円以上~4万円未満:6万8210人
  • 4万円以上~5万円未満:7万6692人
  • 5万円以上~6万円未満:10万8447人
  • 6万円以上~7万円未満:31万5106人
  • 7万円以上~8万円未満:57万8950人
  • 8万円以上~9万円未満:80万2179人
  • 9万円以上~10万円未満:101万1457人
  • 10万円以上~11万円未満:111万2828人
  • 11万円以上~12万円未満:107万1485人
  • 12万円以上~13万円未満:97万9155人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3506人
  • 14万円以上~15万円未満:92万9264人
  • 15万円以上~16万円未満:96万5035人
  • 16万円以上~17万円未満:100万1322人
  • 17万円以上~18万円未満:103万1951人
  • 18万円以上~19万円未満:102万6888人
  • 19万円以上~20万円未満:96万2615人
  • 20万円以上~21万円未満:85万3591人
  • 21万円以上~22万円未満:70万4633人
  • 22万円以上~23万円未満:52万3958人
  • 23万円以上~24万円未満:35万4人
  • 24万円以上~25万円未満:23万211人
  • 25万円以上~26万円未満:15万796人
  • 26万円以上~27万円未満:9万4667人
  • 27万円以上~28万円未満:5万5083人
  • 28万円以上~29万円未満:3万289人
  • 29万円以上~30万円未満:1万5158人
  • 30万円以上~:1万9283人

厚生年金の平均受給月額は約15万円ですが、受給額を分布で見ると、月10万円未満の受給者は全体のおよそ2割を占めます。一方で「月15万円以上」もらえている人は、15万円以上の各階級の人数を合計するとおおむね全体の6割程度にとどまります。

つまり、平均値だけを見て「年金は月15万円もらえる」と考えるのは実態とズレがあり、少なくとも4割前後の人はそれより少ない水準で老後を迎えているということです。

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