執筆者川勝 隆登ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/AFP
監修者中本 智恵LIMO&ファイナンス編集部記者
17:01

【元銀行員の監修者からのアドバイス】老後資金を増やす、NISA以外の4つの節税制度と用語解説

元銀行員の視点から、こうした悩みに対して活用できるNISA以外の節税制度を4つ紹介します。

1. iDeCo:掛金が全額所得控除の対象

まず、iDeCoは掛金が全額所得控除の対象となるため、毎年の税負担を軽減しながら老後資金を準備できる制度です。

相談者は「iDeCoは一度始めると資金がロックされる」という点をご存じでしたが、原則60歳まで引き出せないからこそ、短期的な値動きに左右されにくく、長期的な視点で運用を続けやすいというメリットもあります。

そのため、いつでも引き出せるNISAとは役割を分け、「60歳まで動かせない枠だからこそ、短期の値動きに惑わされず、長期視点と思い切ったスタンスで運用する枠」と位置づける考え方もできます。自営業者は会社員よりも掛金の上限額が大きいケースが多く、所得控除による節税効果をより大きく期待できる点も魅力です。

2. 個人年金保険:生命保険料控除とは別枠の所得控除

個人年金保険は、生命保険料控除とは別枠で「個人年金保険料控除」が使えるため、既存の生命保険や医療保険の控除枠を使い切っていても、追加で所得控除を受けられる可能性があります。

じっくり時間をかけて積み立てる商品が多く、NISAやiDeCoとは異なる時間軸で老後資金を育てる選択肢になります。

3. 一時払い終身保険などの保険性商品:運用と相続対策を両立

今回、「元本割れは避けたいし、大事に運用したい。そう考えると保険会社の方が安心感があり、税金面で優遇されるのも魅力だった」という気づきから、選択肢に入ったのが一時払い終身保険などの商品です。

一時払い終身保険などの保険性商品は、資産形成と相続対策をあわせて考えられる選択肢の一つです。商品によっては運用成果が期待できるほか、死亡保険金については一定額まで相続税の非課税枠を活用できるケースもあります。資産を増やすことだけでなく、将来の資産承継まで視野に入れている方に適した商品といえるでしょう。

4. 既存の保険を見直し、浮いたお金を再配分する

昔入った医療保険などの掛け捨て型保険(固定費)を長年見直していない場合は、現在のライフステージに保障内容が合っているかを確認してみるのも一つの方法です。

必要以上の保障を見直して保険料を抑えられれば、その分をNISAやiDeCoの積立に回すこともできます。新たな制度を活用するだけでなく、すでに支出しているお金の配分を見直すことも、資産形成を進めるうえで大切な視点です。

銀行の窓口でも、自営業のお客様から同じような「複数の制度、結局どう配分すればいいのか」というご相談を数多く受けてきました。

iDeCo・個人年金保険・保険性商品は、それぞれ資金が動かせるようになるタイミングが違います。すべてを一度に決めようとせず、まずはご自身が「いつまでなら資金をロックされても困らないか」を整理してから、配分を決めていくとよいでしょう。

また、既存の保険を見直して浮いた保険料を新しい積立に回す、という考え方は、実務の現場でも有効な手段としてよく使われています。ただし、保障を厚くしすぎたり、逆に薄くしすぎたりしないよう、見直し後の保障内容は必ずご家族と共有しておくことをおすすめします。

老後資金づくりで知っておきたい用語

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):自分で掛金を出し、自分で運用方法を選ぶ私的年金制度です。掛金は全額所得控除の対象になりますが、原則60歳まで引き出せません。
  • 個人年金保険料控除:生命保険料控除とは別枠で使える所得控除です。個人年金保険の保険料が対象になります。
  • 一時払い終身保険:保険料を契約時に一括で払い込むタイプの終身保険です。資産形成と保障を兼ね備えた商品として利用されるほか、契約内容によっては相続対策として活用されることもあります。
  • 相続税の非課税枠(死亡保険金):被相続人の死亡により受け取る死亡保険金には、法定相続人1人につき500万円までの相続税非課税枠が設けられています。この制度を活用することで、相続税の負担を軽減できる場合があります。
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川勝 隆登ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/AFP
中本 智恵LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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