現役世代が、将来の年金のために「今から」できることを元社会保障担当記者が解説
受給額の分布をみると、平均に届かない人も少なくありません。まだ年金を受け取る前の現役世代にとっては、「今の働き方や納め方」が将来の年金額を左右します。早く知って動くほど選べる手が多いですから、早めに制度を知り、対策をすることが大切でしょう。今から現役世代が行いたい対策を解説します。
厚生年金への加入を考える
会社員や公務員として厚生年金に加入していれば、2階部分が上乗せされ、将来の年金は手厚くなります。パートなどで働く方も、2026年10月から年収106万円の壁撤廃予定などあるため、厚生年金に入りやすくなります。目先の手取りは保険料の分だけ減りますが、そのぶん将来の年金は増える、という関係です。また、公的年金は老齢年金だけでなく、遺族年金、障害年金なども手厚くなります。
このような制度変更も確認して、少し長い目でみてキャリアプランを考えましょう。
国民年金のみであれば付加年金を検討する
自営業やフリーランスなど国民年金だけの方にも、上乗せのしくみがあります。第1号被保険者は、通常の保険料に月400円の「付加保険料」を足して納めると、将来「200円×納めた月数」が毎年の年金に上乗せされます(2年受け取れば納めた額を上回る計算です)。
ただし、第1号被保険者は同じく「国民年金基金」にも加入して将来の年金の上乗せができますが、「付加保険料」と「国民年金基金」は併用できません。国民年金基金ではより多くの金額を備えることが基本的にできるため、事前に検討しましょう。
任意加入制度や厚生年金の加入期間、繰下げ受給を知る
60歳の時点で満額に届かない場合は、60歳以上65歳未満のあいだで国民年金に任意加入して増やすこともできます。また、厚生年金は適用事業所で働き条件を満たせば70歳未満まで加入できます。ただし、厚生年金に加入して働きながら、国民年金に任意加入(併用)することはできません。
また、年金を66~75歳に繰下げ受給することで、原則1カ月につき0.7%増額も可能です(※ただし、在職老齢年金制度により支給停止される額は増額の対象にならないなど条件あり)。
このような制度を知り、自分はいつまで働き、年金はいつから受け取るか、どの制度を利用するかなどは現役時代から考えておきましょう。
元社会保障担当記者からアドバイス
参考資料
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元厚労省担当の専門紙の新聞記者。公的社会保障(年金・医療・介護)やNISA・iDeCoを横断分析。難解な一次データを生活者視点に翻訳し、知っておきたい家計防衛の知見と、安全で実用的な情報を提供。

厚生労働省を担当する記者として制度を追ってきた経験からお伝えしたいのは、年金は「平均ではなく、自分の数字で考える」ことが出発点になる、ということです。第一に、「ねんきんネット」で自分の加入記録と見込み額を確認してみてください。平均や噂ではなく、自分の見込みを土台にすることが何より大切です。第二に、今回みた受給額の「分布」を思い出し、自分がどのあたりにいそうかをイメージしておくこと。平均に届かない場合も、過度に不安がる必要はありません。第三に、年金額に不安があるなら、繰下げ受給や働き方の見直しなど、打てる手を早めに知っておくこと。制度は複雑ですが、厚生労働省や日本年金機構の一次情報で確かめながら、ご自身の家計に落とし込んでいくことが、いちばん確かな備えになるのではないでしょうか。