厚生年金「月10万円未満の人」と「月20万円以上の人」はどちらが多い?早めに動きたい「公的年金への対策」を元社会保障担当記者が解説
kapinon.studio/Shutterstock.com
執筆者齊藤 慧編集者
20:09
厚生年金「月10万円未満の人」と「月20万円以上の人」はどちらが多い?早めに動きたい「公的年金への対策」を元社会保障担当記者が解説
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この記事はここがポイント

  • 厚生年金受給額は月10万円未満が19.0%、月20万円以上が18.8%と、月10万円未満の受給者が多い結果
  • 現役世代は、2026年10月からの厚生年金適用拡大を見据えた加入や、月400円の付加保険料による年金増額を検討
  • 60歳からの国民年金任意加入や、66~75歳への繰下げ受給で年金が月額0.7%増額される制度

厚生年金「月10万円未満の人」と「月20万円以上の人」、多いのは「月10万円未満の人」

齊藤 慧
執筆者齊藤 慧編集者株式会社モニクルリサーチ

年金の受給額の話になると、「平均でいくら」という数字がひとり歩きしがちです。社会保障を担当する記者として取材を重ねるなかで、そして経済や金融に関わる編集者としての経験の中で感じてきたのは、平均の一点だけを見ても、自分の暮らしの実感とは結びつきにくい、ということでした。大切なのは、平均のまわりにどれだけの幅があるのか、そして自分がそのどのあたりにいるのかを知ることです。

国民年金に比べれば厚生年金の方が基本的には老後の受給額が多くなりますが、実際にどれくらい貰えるのかわからない方も多いでしょう。

今回は、厚生年金の平均月額と、受給額の分布を、公表されているデータにもとづいて確かめていきましょう。「月10万円未満の人」と「月20万円以上の人」は、どちらが多いのでしょうか。

公的年金は「2階建て」

日本の公的年金は、しばしば「2階建て」にたとえられます。1階は、20歳以上のすべての人が加入する「国民年金(老齢基礎年金)」です。2階は、会社員や公務員が上乗せで加入する「厚生年金」にあたります。自営業やフリーランスの方は1階部分が中心となり、会社勤めの方は1階と2階の両方を受け取るのが基本の形です。

厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み
厚生年金と国民年金の仕組み

つまり、同じ「年金」といっても、どのような働き方をしてきたかによって、受け取る年金の姿は大きく変わってきます。

厚生年金だから手厚いと思うのもまた違い、実際には加入期間や、収入に応じて納めてきた保険料などの状況によって個人差が大きいものです。

「月10万円未満」と「月20万円以上」、多いのはどちら?

それでは本題です。厚生年金を「月10万円未満」しか受け取っていない人と、「月20万円以上」を受け取っている人では、どちらが多いのでしょうか。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータから受給額ごとの割合をみると、次のようになります。

  • 月10万円未満:19.0%
  • 月10万円以上20万円未満:62.2%
  • 月20万円以上:18.8%

結果として、月10万円未満の人が19.0%、月20万円以上の人が18.8%と、少しの差ではありますが、「月10万円未満」のほうが多くなっています。

なお、平均額は以下の通り。

厚生年金の平均月額

  • 全体:15万289円
  • 男性:16万9967円
  • 女性:11万1413円

平均は15万289円ですが、その平均を受け取れている人ばかりではないということです。実際には、全体のおよそ6割が「月10万円以上20万円未満」に集まり、その上下に低めの層と高めの層が分かれています。

また、男性と女性の平均額の違いをみてわかるとおり、一口に「月10万円未満の人の方が多い」といっても、男女の構成割合は異なるでしょう。

厚生年金・国民年金の平均年金月額(2024年度末現在)

厚生年金・国民年金の平均年金月額(2024年度末現在)
厚生年金・国民年金の平均年金月額

男女別のボリュームゾーンをみると、男性は15~20万円、女性は8~11万円となっています。

なお、上記は厚生年金のみとなっているため、厚生年金をうけとっている男性の人数は約1067万人、女性は約540万人となっています。

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