年金生活者支援給付金、2026年度は月5620円に増額!もらえる人・もらえない人の違い
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年金生活者支援給付金、2026年度は月5620円に増額!もらえる人・もらえない人の違い

専門家がアドバイス!老後資金の不安を和らげる3つのステップ

執筆者橋本 優理保険ライター/元保険代理店プランナー/FP2級
07:01
年金生活者支援給付金、2026年度は月5620円に増額!もらえる人・もらえない人の違い
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この記事はここがポイント

  • 年金生活者支援給付金は2019年創設、所得要件を満たす年金受給者向け給付金。
  • 老齢給付金は年収80.9万円以下、障害・遺族は所得479.4万円以下の支給対象。
  • 2026年度の月額は5620円、手続きは日本年金機構からの請求書を郵送。

公的年金だけでは生活費が少し心もとないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

実は、年金の収入や所得が一定基準額以下の方を対象に、年金に上乗せして支給される「年金生活者支援給付金」という制度があります。2026年度は前年比+3.2%の増額となり、老齢年金生活者支援給付金は基準額で月5620円です。

筆者はこれまで保険相談の現場で、年齢や家族構成を問わず幅広い世帯のライフプランニングに携わってきましたが、公的な支援制度を知らないまま「年金だけで生活していくのは厳しい」と悩まれている方に出会うことも少なくありませんでした。保険や資産運用の見直しと同じくらい、こうした公的な支援制度を正しく知ることも、家計の安心につながる大切なポイントだと感じています。

この制度は、老齢・障害・遺族の3つの基礎年金それぞれに設けられており、ご自身の状況に合わせた支援を受けられる可能性があります。この記事では、どのような方が対象になるのか、具体的にいくら受け取れるのか、そして手続きはどうすればよいのかを分かりやすく解説します。

ご自身が対象になるかを確認し、利用できる制度をしっかり活用していきましょう。

年金生活者支援給付金とはどのような制度?

年金受給者の生活を支えることを目的に、2019年に年金生活者支援給付金制度が創設されました。

受給要件を満たした対象者には、2カ月に1回、公的年金の支給日にあわせて年金生活者支援給付金が振り込まれます。

年金生活者支援給付金制度について

年金生活者支援給付金制度について
年金生活者支援給付金制度について

年金生活者支援給付金には3種類があり、受給する基礎年金の種類に応じて「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」にわかれます。

それぞれの所得要件を満たす基礎年金受給者が、この給付金の対象となるということです。

なぜこの給付金が重要なのか:年金受給額には大きな個人差がある

「厚生年金に加入している人は年金がたくさんもらえる」と思う人もいますが、実際にはそうとは限りません。

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)が5万9310円、厚生年金(国民年金部分も含む)が15万289円です。ただし実際の受給額には個人差が大きく、月額30万円以上受け取っている人もいれば、月額1万円未満という人までいます。

受給額が少ない方ほど、この給付金の対象になりやすいという関係にあります。年金とその他の所得を含めても一定基準以下の所得となる場合、「年金生活者支援給付金」の支給対象となる可能性があるため、次の章で紹介する要件に一つでも当てはまる方は、ぜひご自身の状況と照らし合わせてみてください。

【種類別】年金生活者支援給付金の対象になる方

基礎年金を受給している人のうち、年金等の収入や所得の合計額が一定基準以下となる場合、「年金生活者支援給付金」がもらえる可能性があるとわかりました。

本章では「年金生活者支援給付金」の具体的な支給要件について、3種類にわけて見ていきましょう。

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の支給要件
支給要件

まず老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

障害年金生活者支援給付金の支給要件

障害基礎年金を受給されている方へ

障害基礎年金を受給されている方へ
障害基礎年金を受給されている方へ

下記の支給要件をすべて満たす場合、障害年金生活者支援給付金の支給対象となります。

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 障害年金等の非課税収入は除く

遺族年金生活者支援給付金の支給要件

遺族基礎年金を受給されている方へ

遺族基礎年金を受給されている方へ
遺族基礎年金を受給されている方へ

下記の支給要件をすべて満たす場合、遺族年金生活者支援給付金の支給対象となります。

  • 遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 遺族年金等の非課税収入は除く

2026年度における年金生活者支援給付金の給付額

年金生活者支援給付金の給付額は、前年の物価変動率にもとづき決定されます。

2026年度では前年に比べ+3.2%の増額となりました。

2026年度の年金生活者支援給付金はいくら?

年金生活者支援給付金の給付額

年金生活者支援給付金の給付額
年金生活者支援給付金の給付額
  • 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円
  • 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級7025円・2級5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金:月額5620円

老齢年金生活者支援給付金のみ、「基準額」であることに注意が必要です。

実際には「月額5620円」を基準として、「保険料納付済期間や免除期間」に応じて支給額が計算されます。

「基準額を数千円でも超えたら1円ももらえないのでは…」と不安に思われる方もいらっしゃいます。しかし、条件を少しオーバーした方にも「補足的給付金」という形で段階的に支給される仕組みが整っています。「自分は少しオーバーしているから対象外だ」と自己判断せず、案内が届いた際は必ず内容を確認してみましょう。

年金生活者支援給付金の請求手続きについて

本章では「年金生活者支援給付金の請求手続き」を解説します。

すでに公的年金を受給している人のうち、新たに年金生活者支援給付金の支給対象となった人には、日本年金機構からお知らせを兼ねた請求書が届きます。

手続きの流れ:基礎年金をすでに受給している場合

年金生活者支援給付金請求書の手続きフロー

年金生活者支援給付金請求書の手続きフロー
年金生活者支援給付金請求書の手続きフロー
  • 毎年9月の第1営業日から順次、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されてくる
  • 2025年1月以降に65歳に到達し、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は電子申請が利用できる
  • 電子申請を利用しない場合は、必要事項を記載し、切手を貼ってポストに投函

なお、支給要件に当てはまるかどうかが確認できない人には「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」および「所得情報等を確認するための所得状況届」が届きます。

続いて、年金自体を新規で請求する場合のフローを確認しましょう。

手続きの流れ:老齢基礎年金をこれから請求する場合

老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ

老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ
老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ
  • 65歳になる3か月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封して送付
  • 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書と併せて年金事務所に提出

※障害年金生活者支援給付金および遺族年金生活者支援給付金の対象者のうち、基礎年金を初めて新規で請求する方(年金と給付金を同時に請求する方)は、給付金の請求書が自動的に郵送されません。年金の請求手続きとあわせて、ご自身で年金事務所や市区町村の窓口で給付金の請求手続きを行う必要があります。

一番もったいないのは「請求書の放置」です。「日本年金機構から届いたハガキや緑の封筒を、ダイレクトメールだと思って放置していた」というケースもあります。この給付金は、要件を満たしていても請求手続きをしないと支給されません。見慣れない封筒が届いたら捨てずに開封し、提出期限内に投函する(または電子申請する)ことを徹底しましょう。

年金生活者支援給付金はいつ支給される?

年金生活者支援給付金は、公的年金と同じく偶数月の15日に支払われます。なお、15日が土日または祝日のときは、その直前の金融機関の営業日に前倒しとなります。

例えば10月に給付されるのは、8月分・9月分の給付金です。

年金の受取口座と同じ口座に振り込まれますが、通帳にはそれぞれ別の振込として記載されます。

専門家がアドバイス!老後資金の不安を和らげる3つのステップ

年金生活者支援給付金のような公的支援を活用することはもちろん大切ですが、老後の資金不安を根本から和らげるためには、日頃の家計の見直しや情報収集も欠かせません。

これまで多くのライフプランニングに携わってきた経験から、老後を迎えるにあたってぜひ取り組んでいただきたい3つのステップをお伝えします。

固定費(保険・通信費)を「今の暮らし」に合わせて見直す

年金生活では、収入を増やすことは簡単ではありません。一方で、毎月の支出を減らすことは比較的取り組みやすい対策です。

特に、生命保険や医療保険、スマートフォンの料金プランなどは、現役時代のままになっているケースも少なくありません。退職や子どもの独立などライフステージの変化に合わせて見直すことで、毎月の負担を抑えられる可能性があります。

公的制度のアンテナを貼る

今回ご紹介した年金生活者支援給付金以外にも、高額療養費制度や高額介護サービス費制度、自治体独自の助成制度など、利用できる公的支援は数多くあります。

日本の公的支援制度は、原則として申請しなければ利用できないものが少なくありません。自治体から届くお知らせや広報誌にも目を通し、「使える制度はないか」という意識を持つことが大切です。

公的窓口や専門家に相談する

ライフプランのご相談では、「もっと早く相談すればよかった」と話される方が少なくありません。

年金制度については年金事務所や街角の年金相談センター、生活や介護に関することは地域包括支援センター、家計全体の見直しはファイナンシャルプランナー(FP)など、それぞれの専門機関を活用することで、解決の糸口が見つかることもあります。

老後資金への不安を一人で抱え込まず、「制度を知る」「家計を見直す」「相談する」の3つを意識するだけでも、将来への安心感は大きく変わります。

まとめ

今回は、年金に上乗せして受け取ることができる「年金生活者支援給付金」の概要について解説しました。

老後は限られた収入で生活費をやりくりする必要があり、経済状況が厳しいと感じているシニア世代も少なくありません。筆者も、「固定費をなんとか削減したいので保険を見直せないか」「携帯料金を抑えるにはどこのキャリアが良いか」と年金生活者から相談を受けた経験があります。年金が主な収入源になるなか、月数千円でも貴重な生活費になり得ます。

最後に、申請漏れや受給漏れを防ぐために、次の3点を確認しておきましょう。

  1. ご自身が「老齢・障害・遺族」のいずれの年金生活者支援給付金の対象となる可能性があるか確認する。
  2. 対象となる場合は、届いた請求書(はがき型またはA4判)を期限内に提出する。 また、老齢基礎年金を新たに請求する方は、給付金の手続きが自動で行われない場合もあるため、年金事務所や市区町村で忘れずに確認しましょう。
  3. 対象かどうか判断に迷った場合は、一人で悩まず年金事務所や市区町村の窓口へ相談する。

公的支援制度は、「知っていて、手続きをした人」が利用できる制度です。制度の内容を正しく理解し、必要な手続きを行うことが、老後の安心につながります。まずは、ご自身のもとに届いている年金関係の通知を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

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橋本 優理保険ライター/元保険代理店プランナー/FP2級

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