そもそも「劣後債」とは?普通社債との違い
最後に今回登場した「劣後債(劣後特約付社債)」という仕組みについて簡単におさらいしておきましょう。
劣後債とは、一言で言えば「普通の社債よりも、リスクを引き受ける分、高い利回りが期待できる債券」のことです。
投資家にとっては普通の社債よりもリスクが高い商品となるため、その見返りとして高い金利(利率)が設定されるのが特徴です。
投資する前に必ず押さえる!劣後債のリスクと注意点
高い利回りは魅力的ですが、裏側にある「リスク」を正しく理解しておくことが債券投資では最も大切です。
劣後債を検討する際は、以下の3つの注意点を必ず頭に入れておきましょう。
万が一のときの「弁済順位が低い」
発行体(三菱UFJFG)が破産などの法的倒産手続きを行った場合、元本や利息が投資家に返済される順位(弁済順位)が、普通の社債や一般の借入金よりも後回し(劣後)になります。
つまり、普通の社債を保有している人たちにお金が返ってきた後、それでも資産が残っていれば返してもらえる、という仕組みです。
メガバンクならではの「実質破綻時免除特約(ベイルイン)」
金融機関が発行する劣後債には、非常に重要な特約がついています。
同債では、仮に発行体である三菱UFJFGの自己資本比率が著しく低下し、金融庁などから「このままでは実質破綻する」と認定された場合、この劣後債の元本や利息を支払う義務が永久に免除(カット)されるリスクがあります。
国が税金(公的資金)を投入して銀行を救う前に、まずは劣後債の投資家に身代わり(損失)になってもらうというルールです。
まとめ
国内の金利上昇を背景に、三菱UFJFGの個人向け劣後債が年3.404%という魅力的な利回りで条件決定しました。
前回発行時より1%以上も上昇しており、個人投資家にとって相応に投資妙味のある選択肢といえるかもしれません。
しかし、高利回りの裏には「劣後債」特有のリスクがある点に注意が必要です。
万が一の際の返済順位が普通社債より低く、実質破綻時には元利金が免除される特約(ベイルイン)が付いています。
債券投資を始める際は、国債や地方債のような比較的安全な資産との違いを理解し、提示される「格付け」や「リスク」を必ず確認しましょう。
金利上昇局面だからこそ、リターンだけでなくリスクの質を見極める視点が不可欠です。
投資を検討するにあたっては、必ず証券会社が提供する「目論見書」に目を通してください。
参考
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
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フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
PROFILE
立教大学卒業後、海外専門の旅行会社に就職し、その後旅行業界専門誌の記者に転身。企業決算の記事などを手掛けるうちに金融マーケットに興味を持つようになり、株式や債券の発行市場をカバーする金融専門誌の記者に転職。債券市場の動向や市況について、10年以上にわたって数多くの記事を機関投資家に向けて日経QUICKやブルームバーグ等へ執筆した。その後、株式会社フィスコでアナリストが執筆する企業調査レポートの編集を手掛けるとともに、決算などIR情報の発信業務に携わる。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。
