8月から変わる「高額療養費制度」3つの変更点をFPが解説
高額療養費の年間上限の新設
来月、2026年(令和8年)8月から高額療養費制度が一部見直されます。制度を維持するための「引き上げ」と、長期治療者を守る「サポート強化」の3つのポイントが実施されます。
ポイント①:月額の「自己負担上限」がアップ
一人当たりの医療費増加に伴い、月ごとの負担上限が引き上げられます。
(例:70歳以上・年収約260万円~約370万円の場合、通常の上限額が「5万7600円→6万1500円」に引き上げ)
ポイント②:長期療養者の味方「年間上限」がスタート
毎月医療費がかかる方の負担軽減策として「年間上限」が新設されます(毎年8月〜翌年7月で計算)。上限額(上記年収例では53万円)に達すると、それ以上の支払いは不要になります。
ポイント③:「多数回該当」の金額はそのまま据え置き
直近12か月で3か月以上高額療養費の対象になった場合、4か月目以降の負担が下がる「多数回該当」の金額は、長期治療者の負担を増やさないために据え置かれます。
まとめにかえて
統計データが示す通り、年齢を重ねるにつれて医療機関を利用する確率は上昇し、生活習慣病などのリスクは誰にでも生じる現実です。これからの時代、公的医療保険制度の持続可能性を保つための負担増や自己負担額の引き上げは避けられない流れにあります。
しかし、今回の改正のように「高額療養費の年間上限」が新設されるなど、長期治療に伴う過度な家計圧迫を防ぐセーフティネットも同時に強化されています。ライフプランにおける予備資金(医療費の備え)を計画する際は、民間保険の追加を検討する前に、まずこれら最新の公的制度の変更点と保障内容を正しく把握し、反映させることが重要です。
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日本生命出身で生命保険・損害保険の実務に長年従事。CFP®・FP1級を保有。現在はLIMO編集部にて官公庁の一次情報を基にした信頼性の高い記事を執筆・監修。J-FLEC認定アドバイザーとしても活動。
PROFILE
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
