この記事はここがポイント
- 厚生年金で月額20万円以上受給はわずか18.8%、8割超が20万円未満という実情。
- 令和6年度の厚生年金平均は15万289円、国民年金は5万9310円。
- 公的年金だけでの生活維持は困難、受給額把握と自助努力による備えが不可欠。
一般的に、ゆとりある老後の生活費として「月20万円」が一つの目安として語られることがありますが、実際に公的年金だけでその金額を賄えている人はどれくらいいるのでしょうか。
かつて銀行の窓口で多くのお客様の年金受託や資産相談に携わってきた筆者は、「実際に年金を受け取ってみたら、想定していた金額より少なくて生活設計を組み直す必要があった」というシニアの方々の声を幾度となく耳にしてきました。
「なんとなく月20万円くらいはもらえるだろう」という漠然としたイメージと、実際の受給額とのギャップに直面してからでは、老後のマネープランを修正するのは容易ではありません。
現役時代のうちに受給額のリアルな分布を知り、早期に自助努力や生活設計の必要性を実感していただくために、今回はこのテーマをお届けします。
今回は、厚生労働省の最新データをもとに、厚生年金や国民年金の平均受給額の実態と、「月額20万円以上」受け取っている人の割合について詳しく紐解いていきます。
日本の公的年金制度は「2階建て」構造
日本の公的年金制度は「2階建て」
日本の公的年金制度は、「国民年金(基礎年金)」をベースとし、会社員や公務員などが「厚生年金」に上乗せ加入する二階建て構造です。
1階部分:原則全員が加入する「国民年金(基礎年金)」
- 誰が加入する?:原則として「国内在住の20歳以上から60歳未満」全員
- 保険料はいくら?:全員一律(2026年度月額 1万7920円)
- 老後の受給額はいくら?:全期間(480カ月)納付すれば満額(2026年度月額 7万608円)
- 被保険者区分は?:第1号~第3号の3区分(※)
国民年金の3つの被保険者区分
- 第1号被保険者:農業者・自営業者・学生・無職の人など
- 第2号被保険者:厚生年金の加入者
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者
2階部分:会社員や公務員が上乗せで加入する「厚生年金」
- 誰が加入する?:会社員や公務員、またパート・アルバイトで特定適用事業所(※4)に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
- 保険料はいくら?:収入に応じて決まり、給与からの天引きで納付(保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算)
- 老後の受給額はいくら?:加入期間や納めた保険料により個人差あり
- 被保険者区分は?:第1号~第4号の4区分
厚生年金の4つの被保険者区分
- 第1号:第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人
- 第2号:国家公務員共済組合の組合員
- 第3号:地方公務員共済組合の組合員
- 第4号:私立学校教職員共済制度の加入者
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三菱UFJ銀行出身。資産運用コンサルティングに従事し、全国表彰を多数受賞。現在は「LIMO」編集部で金融ライターとして年金・資産運用など金融分野の記事を精力的に企画・執筆・監修している。
PROFILE
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて窓口業務およびリテール営業に従事。国内外株式の仲介をはじめ、国内外債券、投資信託、生命保険、住宅ローンなど幅広い金融商品の提案・販売を担当し、資産運用コンサルティングに携わる。全国表彰を多数受賞。
金融業界で培った知識と実務経験を生かし、株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)に入社。現在は、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」編集部にて、記事の企画・執筆・編集・監修を担当している。
厚生労働省管轄の公的年金制度(老齢年金・障害年金・遺族年金)や社会保障をはじめ、資産運用、NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローン、為替、株式投資など、お金に関する幅広いテーマについて、制度の仕組みや最新動向をわかりやすく解説。金融機関での実務経験と金融ライターとしての知見を生かした記事を多数執筆し、Yahoo!ニュース経済カテゴリではアクセスランキング1位を多数獲得している。
