「老後資金1億円の生活レベル」はどんな感じ?贅沢なしの”ふつう”の暮らしでもインフレで資産が激減する理由
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「老後資金1億円の生活レベル」はどんな感じ?贅沢なしの”ふつう”の暮らしでもインフレで資産が激減する理由

執筆者和田 直子編集者 株式会社モニクルリサーチ
05:32
「老後資金1億円の生活レベル」はどんな感じ?贅沢なしの”ふつう”の暮らしでもインフレで資産が激減する理由
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この記事はここがポイント

  • 老後資金が1億円あることはアドバンテージといえるが、2%インフレ35年継続で約6300万円目減り
  • インフレと施設入居・大病で、1億円資産でも老後資金が底をつく懸念
  • 1億円は普通預金で目減り、NISA活用などインフレ対策の資産運用が重要

銀行員時代、いわゆる「富裕層」と呼ばれる1億円超の資産をお持ちのお客様と接する機会が多くありました。

これほどの資産があれば、老後に対して大きな安心感を持たれるのは自然なことです。

しかし、老後の暮らし方や直面するご事情は実に多様であり、1億円という数字だけでは測れない現実もあります。

例えば、将来的に「有料老人ホームへの入所」を選択するケースを考えてみましょう。

施設によっては、入居一時金だけで数千万円、さらに毎月の手厚い介護・管理費用が重なります。

当初は「1億円あるから何が起きても大丈夫」と考えていても、こうした高齢期の大きな環境変化によって、資産の大部分が想定以上のスピードで目減りしていく…といった展開は十分に起こり得るのです。

「1億円あれば老後は安泰」──この言葉は本当に、どのようなシチュエーションでも通用するものなのでしょうか。

この記事では、実際の家計データとインフレのシミュレーションを交えながら、老後資金1億円のリアルな生活イメージを紐解いていきます。

まず知っておきたい、老後夫婦2人の「平均的な家計」

老後の家計を具体的に考えるにあたって、まず実際のデータを確認しておきましょう。

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計は次のとおりです。

65歳以上無職夫婦世帯の家計収支

65歳以上無職夫婦世帯の家計収支
出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」

毎月の収入(65歳以上・夫婦のみ無職世帯)

この世帯の毎月の収入合計は25万4395円で、そのうち約9割(22万8614円)が年金などの社会保障給付です。

なお、2026年度の厚生年金(標準的な夫婦2人分)は月23万7279円とされており、平均的な夫婦世帯の年金はこの水準に近い形です。

  • 収入合計:25万4395円
  • うち社会保障給付(主に年金):22万8614円

毎月の支出(65歳以上・夫婦のみ無職世帯)

一方、支出は消費支出と税・社会保険料などの非消費支出を合わせると約30万円近くになります。

  • 消費支出:26万3979円
  • 非消費支出(税・社会保険料など):3万2850円
  • 支出合計:29万6829円

収入と支出の差し引きは、毎月約4万2000円の赤字です。この「月4万2000円の不足」をどう補うかが、老後の家計設計の核心となります。

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