本格的な夏の到来を実感する季節になりました。エアコンの使用など、この時期ならではの出費に頭を悩ませている方も多いでしょう。
帝国データバンクの調査(2026年6月公表)によると、7月の飲食料品値上げは2566品目にのぼり、家計を取り巻く環境は依然として厳しい状況です。
金融メディアの編集者として日々情報を発信し、家族の介護も経験した筆者としても、こうした物価高は足元の生活費だけでなく、将来の「老後」や「介護」の備えに重くのしかかると実感しています。
実際、生涯の介護費用は一人あたり約2300万円にのぼるという試算(※後述)もあるほどです。
「節約しても貯蓄が増えない」と焦る方がいる一方で、着実に資産を増やす世帯も存在します。
本記事では総務省の最新統計を基に、貯蓄額の分布や収入との関連性を再確認し、将来の大きな出費に備える資産形成のヒントを探っていきましょう。
【貯蓄額の分布】4000万円以上の世帯は何割?統計データで見る日本の家計
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」から、二人以上の世帯における金融資産の保有状況を見ていきます。
【日本の二人以上世帯・貯蓄額一覧表】
みんなの平均貯蓄額
まず、二人以上世帯全体の貯蓄額について、平均値と中央値で比較すると、以下のような特徴が浮かび上がります。
- 平均値:2059万円
- 貯蓄保有世帯の中央値:1264万円
- 貯蓄現在高が「0」の世帯を含めた中央値:1167万円
平均値が中央値を大幅に上回っているのは、一部の富裕層が全体の数値を引き上げているためです。
【日本の二人以上世帯】貯蓄額の分布状況
貯蓄額の階級ごとに世帯の割合を見ると、そのばらつきがよりはっきりとわかります。
- 100万円未満:10.1%
- 100~200万円:5.4%
- 200~300万円:4.8%
- 300~400万円:3.8%
- 400~500万円:4.1%
- 500~600万円:4.2%
- 600~700万円:3.4%
- 700~800万円:3.3%
- 800~900万円:3.1%
- 900~1000万円:2.5%
- 1000~1200万円:5.8%
- 1200~1400万円:4.3%
- 1400~1600万円:4.3%
- 1600~1800万円:3.1%
- 1800~2000万円:3.1%
- 2000~2500万円:7.0%
- 2500~3000万円:5.2%
- 3000~4000万円:7.5%
- 4000万円以上:15.2%
特に注目すべきは、貯蓄が4000万円を超える世帯が15.2%と最も高い割合を占める一方で、100万円未満の世帯も10.1%存在している点です。
二人以上世帯には、リタイアした高齢夫婦から子育て中の若い世代まで、さまざまなライフステージの家庭が含まれるため、貯蓄額にも大きな開きが生まれています。
このデータからは、それぞれの世帯のライフステージや収入状況が、資産額に直接的に反映されている日本の家計の実情が見て取れます。
早大卒。証券外務員二種・相続診断士。15年の書籍校閲で培ったファクトチェック力を武器に、一次資料に基づく「お金と暮らし」の分析記事を担当する編集記者。認知症介護経験をいかし、読者目線に立った情報発信も。
