【年代別の平均貯蓄額】30歳代・40歳代・50歳代・60歳代の資産状況を比較
全世帯の平均貯蓄額を見ても、「自分の家庭と比べて多いのか少ないのか判断しにくい」と感じる方もいるかもしれません。
実際のところ、貯蓄額は年齢によって大きく変動します。住宅ローンや子どもの教育費といった負担が大きい子育て世代と、退職金などを受け取った後のシニア世代とでは、資産の状況が大きく異なるからです。
そこで、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年による世代別の平均値と中央値も合わせて確認していきましょう。
年代別の貯蓄額はいくら?
30歳代・40歳代・50歳代・60歳代の平均貯蓄額はどのくらいか
世帯主の年齢階級別に見ると、貯蓄額は年齢が上がるにつれて増加していく傾向が確認できます。
【年代別の平均貯蓄額】
- 30歳代: 601万円
- 40歳代: 889万円
- 50歳代: 1147万円
- 60歳代: 2026万円
30歳代は住宅ローンや子育て関連の支出が重く、貯蓄額は比較的少なめですが、40歳代から50歳代にかけて収入が増加するのに伴い、資産形成が本格化していきます。
そして60歳代になると、長年の積立資産に加えて退職金が上乗せされるケースも多く、貯蓄額が大きく伸びる傾向にあります。
平均値だけでなく中央値にも注目したい
ただし、これらの平均値を見る際には少し注意が必要です。
【年代別の貯蓄額の中央値】
- 30歳代: 150万円
- 40歳代: 220万円
- 50歳代: 300万円
- 60歳代: 700万円
前の章で触れたように、二人以上世帯全体の平均貯蓄額は2059万円であるのに対し、中央値は1264万円でした。
これは、一部の資産家が平均値を押し上げているためであり、多くの世帯の実感は中央値に近いと考えられます。
年代別のデータでも同じような傾向が見られるため、「平均額より少ないから問題だ」と短絡的に考える必要はありません。
むしろ、自分の年代がどの程度の資産を築いているかの目安として、これらのデータを活用することが重要です。
世代ごとに異なる家計課題と資産形成
30歳代は結婚、住宅購入、子育てといったライフイベントが集中しやすく、貯蓄よりも日々の家計を安定させることが優先されがちです。
40歳代から50歳代は収入が増加する一方で、教育費や住宅ローンの返済がピークを迎える時期でもあります。このため、同じ年収であっても世帯ごとの貯蓄額に大きな差が生まれやすくなります。
60歳代以降は、リタイア後の生活を見据え、資産を「増やす」段階から「どう活用し、取り崩していくか」という視点への移行が求められます。
こうした背景を理解すれば、全体の平均や富裕層のデータと比較して焦るのではなく、自身の年代特有の支出やライフプランを考慮しながら家計を管理していくことの大切さが見えてくるでしょう。
早大卒。証券外務員二種・相続診断士。15年の書籍校閲で培ったファクトチェック力を武器に、一次資料に基づく「お金と暮らし」の分析記事を担当する編集記者。認知症介護経験をいかし、読者目線に立った情報発信も。
