この記事はここがポイント
- 2026年11月募集分の個人向け国債(変動10年)の利率は、基準金利低下に伴い10月から0.20%低い年1.85%となる見通し
- 前月を下回るのは8カ月ぶりとなる一方、1年前の2025年11月募集分の1.10%と比べると0.75%高い水準
- 11月6日に正式な利率が発表され、募集期間は11月9日から30日まで、発行日は12月15日
財務省が5日に実施した10年利付国債の入札結果をもとに計算すると、個人向け国債(変動10年)の11月募集分(第200回債)の利率は年1.85%となる見通しです。
10月募集分の2.05%から0.20%下がり、2%台から1%台に戻ります。
変動10年の利率が前月を下回るのは、3月募集分以来8カ月ぶりです。正式な利率は11月6日に財務省が発表します。
本記事では、利率の算出方法と前月との比較、入札の中身、今後のスケジュールを見ていきます。
そもそもなぜ「見通し」がわかるの? 利率の算出方法
個人向け国債(変動10年)の利率は、財務省が定める「基準金利×0.66」という算式で決まります(下限は0.05%)。
この基準金利は、財務省が10年利付国債の入札結果とあわせて「個人向け国債(変動10年)の基準金利となる複利利回り」として参考に公表しています。
11月5日の入札結果では2.80%と示されており、ここに0.66を掛ければ、正式発表の前に利率の見通しがわかる仕組みです。
前月(10月)と比べるとどうなった?
前月(10月6日入札)
- 基準金利:3.10%
- 利率:3.10%×0.66=2.046%→2.05%
今月(11月5日入札)
- 基準金利:2.80%
- 利率:2.80%×0.66=1.848%→1.85%(見通し)
- 前月比:▲0.20%
基準金利が10月の3.10%から2.80%に下がったため、利率も前月を下回る見通しです。1.85%は8月募集分(1.87%)を下回り、7月募集分(1.80%)以来の水準になります。
変動10年の利率の推移(募集月、初回の適用利率)
- 2025年11月:1.10%
- 2026年3月:1.40%
- 4月:1.55%
- 5月:1.67%
- 6月:1.74%
- 7月:1.80%
- 8月:1.87%
- 9月:1.95%
- 10月:2.05%
- 11月:1.85%(見通し)
4月募集分から10月募集分までは毎月上がっていました。
今回は低下に転じたものの、1年前の11月募集分(1.10%)と比べると0.75%高い水準です。
個人向け国債(変動10年)の初回利率の推移
入札の中身はどうだった?
11月5日の入札では、10月と同じ10年利付国債の第384回債(表面利率年3.1%)が入札にかけられました。
- 応募額:6兆3,355億円(10月は7兆4,011億円)
- 募入決定額:1兆9,719億円(10月は1兆9,661億円)
- 応札倍率:約3.21倍(10月は約3.76倍)
- 募入平均価格:102円57銭(平均利回り2.768%)
- 募入最低価格:102円32銭(最高利回り2.800%)
※応札倍率は応募額÷募入決定額で記者が算出
10月の入札は平均利回りが3.101%、最高利回りが3.103%でした。今回は平均利回りが2.768%と、10月から0.333%低くなっています。
なお、変動10年の基準金利(2.80%)は、この平均利回り(2.768%)とは別に、財務省が「複利利回り」として参考に示している数値です。
応札倍率(落札された額に対して、どれだけの買い注文が集まったかを示す倍率)は10月を下回りました。
平均価格と最低価格の差(テール)は25銭と、10月の2銭から広がっています。
今後のスケジュール
- 正式な利率の発表:11月6日
- 募集期間:11月9日~30日
- 発行日:12月15日
なお、財務省によると、12月募集分(12月7日~30日)から販売対象を一部の法人等にも拡大し、商品名が「個人向け国債プラス」に変わります。
記者コメント
個人向け国債(変動10年)の利率は4月募集分から毎月上がってきましたが、11月募集分は年1.85%の見通しとなり、8カ月ぶりに前月を下回りました。それでも1年前の11月募集分と比べると0.75%高い水準です。
11月5日の10年国債入札は、応札倍率が約3.21倍と10月(約3.76倍)を下回り、テールも25銭に広がりました。前月と比べると、需要の強さはやや見劣りする結果といえます。
変動10年は半年ごとに利率が見直されるため、受け取る利子はこれからの金利の動き次第で変わります。
最終的な数値は、11月6日に財務省が発表する正式な発行条件で確認してください。
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フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
