国内の小売業界は現在、物価高に伴う消費者の根強い節約志向や、人件費・原材料費の高騰という重い課題に直面しています。
大手であっても苦戦を強いられる企業もあり、業界内での「明暗(二極化)」が一段と鮮明になってきました。
そんな逆風吹き荒れる厳しい経営環境のなかで、独自の成長ストーリーを描き、ひときわ快走を続けているのが「無印良品」を展開する良品計画(7453)です。
7月上旬には次の四半期決算の発表が予定されています。
まずは直近の中間決算で足元の業績を確認しておきたいところです。
あわせて、8月末には株主優待の権利確定日が控えており、優待の内容や受け取り方を整理しておきたいと考える個人投資家も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、良品計画の直近の業績を振り返りつつ、無印良品の株主優待「7%割引」の内容、そして「良品週間」や「MUJI Card」との使い分けまでを、詳しく整理していきましょう。
【良品計画(7453)】2026年8月期2Qは増収増益|直近決算を振り返る
はじめに、足元の業績を確認します。
良品計画が4月10日に公表した2026年8月期第2四半期(中間)決算では、増収増益となりました。
- 営業収益:4,385億円(前年同期比+14.8%)
- 営業利益:450億円(同+24.8%)
- 純利益:342億円(同+34.5%)
会社側が公表している2026年8月期の通期予想は、営業収益8,870億円・営業利益890億円・純利益620億円で、1株当たりの年間予想配当は32円とされています。
中間時点での通期予想に対する進捗率は営業利益でおよそ5割と、おおむね順調なペースといえます。
7月上旬に予定されている次の四半期決算で、この流れが続くかどうかが一つの焦点になります。
なお、前期にあたる2025年8月期は、営業収益が7,846億円、営業利益が738億円、純利益が508億円と、いずれも2ケタ増益で着地しています。
8月末の権利確定を前に知っておきたい、無印良品の株主優待「シェアホルダーカード」7%割引
続いて、本題の株主優待についてです。
良品計画の株主優待は、無印良品の店舗やネットストアでの買い物が「7%割引」になる「シェアホルダーカード」が進呈されるというものです。
直近では8月末が権利確定の基準日にあたるため、この時期に内容を確認しておきたい優待といえます。
割引率・対象・必要株数
- 割引率:買い物金額の7%オフ(2024年に5%から引き上げ)
- 対象:無印良品の店舗(セルフレジを含む)およびネットストア
- 対象外:ローソン店舗内の無印良品や海外店舗など一部
- 単元株:100株
「電子化」でネットストアにも対応
シェアホルダーカードは、2026年2月末を基準とする権利確定分から、紙のカードではなくMUJIアプリ上の電子クーポンに切り替わりました。
株主番号と郵便番号をアプリに登録することで利用でき、従来は対象外だったネットストアでも使えるようになっています。
権利確定日
権利を得るには、権利確定の基準日時点で株主名簿に記載されている必要があります。
権利付き最終売買日:2026年8月27日(木)
この日の大引け(15:30)までに株を買って保有している必要があります
権利落ち日:2026年8月28日(金)
この日に株を売っても、8月分の優待と配当はもらえます
権利確定日:2026年8月31日(月)
株主名簿に名前が載る日です(※株主がこの日に何か操作をする必要はありません)
8月の権利確定スケジュール一覧
実際に届くのはいつ?
良品計画の優待は魅力的ですが、最大のネックは「今すぐには手に入らない」という点です。
実際にクーポンが届くのは11月下旬で配当金関係書類等に同封する形で届きます。
使えるようになるのは11月下旬以降になります。
夏のセールには間に合いませんが、冬のセールやクリスマス、年末年始のお買いものには使えるようになるのが嬉しいですね。
衣類や寝具など、冬物は夏物に比べて価格が高いので、今から逆算して賢い買い物計画を立てたいものです。
株主優待の「7%」と「良品週間」の「10%」は併用できる?
無印良品でお得に買い物をする方法として、株主優待とあわせてよく知られているのが、会員向けセール「良品週間」です。
期間中はMUJI passportの提示で10%オフになります。
ここで押さえておきたいのが、株主優待の「7%割引」と、良品週間の「10%オフ」は併用できないという点です。
割引率だけを見れば良品週間の10%が大きく、株主優待の7%は良品週間以外の時期に活きてくる、という棲み分けになります。
株主優待と「MUJI Card」はどちらがお得?
もう一つ、無印良品での買い物でよく比較されるのが、クレジットカードの「MUJI Card」です。両者は性質が異なります。
MUJI Card自体には買い物割引はありません。
国内の無印良品店舗で使うと100円ごとに1ポイント(無印良品で使える「ポイント」)が貯まり、加えて1,000円ごとに永久不滅ポイントが3倍、セゾンポイントモールを経由してネットストアを利用すると最大4倍まで貯まる仕組みです。
つまり「割引」で選ぶなら株主優待、「ポイント還元」を重ねたいならMUJI Card、という整理になります。
優待 vs MUJI Card
良品計画の株主優待(100株保有)
元手資金を投資して、常に高い割引率の恩恵を受けるルートです。
- 割引・還元:いつでもお買い物が 7%割引
- 初期費用(投資額):38万1,200円(2026年7月8日終値ベース)
- 維持コスト:なし(ただし株価の変動リスクあり)
- 利用開始の時期:次回権利確定は8月末(手元に届くまで数カ月のタイムラグあり)
- 直近のアップデート:2026年2月権利分より、店舗だけでなくネットストアでも利用可能になりました
MUJI Card(セゾン・Visa)
リスクゼロで入会し、ポイント還元と定期的なプレゼントを受け取るルートです。
- 割引・還元:永久不滅ポイントが3倍(還元率約1.5%)+無印良品ポイントが貯まる
- 初期費用:0円
- 維持コスト:実質無料(※年1回も利用がない場合は1,650円の年会費が発生)
- 利用開始の時期:カード申し込み後、発行されればすぐ利用可能
- 限定特典:新規入会で1,000ポイント、さらに毎年2回(5月・12月)に各500ポイント(計1,000ポイント)を付与
各ルートの特徴と選び方の基準
それぞれのルートの強みと注意点をみていきましょう。
株主優待ルートの強みは?
2026年2月権利分から「MUJIアプリ」での電子クーポン化が始まり、ネットストアでも7%割引が適用されるようになった点が最大のメリットです。
店舗に足を運ばなくても、大型家具などを安く購入できるようになりました。
注意点
権利確定からクーポンが手元に届くまで数カ月かかります。
また、約38万円の元手が必要なため、株価の下落リスクも考慮する必要があります。
なお、無印良品週間(10%オフ)など、他の割引サービスとの併用はできません。
MUJI Cardルートの強みは?
投資リスクを負うことなく、持っているだけで毎年計1,000円分のポイントがもらえるため、ライトユーザーでも確実に得をします。
注意点
年に1回も決済がないと1,650円の年会費がかかってしまいます。
年に最低1回、靴下やカレー1つでも良いので、このカードで決済することを忘れないようにしてください。
どちらを選ぶべきか(損益分岐の目安)
MUJI Cardは保有しているだけで毎年1,000ポイントが手に入ります。
株主優待の「7%割引」でこの1,000円分の価値を超えるには、年間で約14,300円以上のお買い物をするかどうかが境目となります(※)。
年間15,000円以上の利用がある、または家具などの大型購入予定があるなら、株主優待の破壊力が勝ります。
そこまでの金額は使わないが、コストをかけず定期的にお得感を得たいなら、MUJI Cardが最適な選択肢となります。
※ 配当は含めないものとします
最新の指標をチェック
最後に、投資指標もあわせて確認します。
2025年8月期末時点で、EPS(1株当たり利益)は95.92円、ROE(自己資本利益率)は16.3%、自己資本比率は59.0%でした。
株価に対する評価としては、2026年7月8日の終値ベースでPER(株価収益率)が32.63倍、PBR(株価純資産倍率)が5.37倍、配当利回りは0.84%です。
これらは株価の変動によって日々変わるため、最新の株価・前日比・利回りは、日本取引所グループ(JPX)や証券会社の公式情報、良品計画のIR情報で、確認する日付とあわせてチェックしてください。
データから客観的に見ると、良品計画は増収増益基調にあり、財務の安定感も保たれています。
ただし、優待利回りや配当利回りは購入時の株価によって変わるため、利回りで比較する際は取得価格を踏まえて考える必要があります。
まとめ
良品計画(7453)は、2026年8月期 第2四半期まで増収増益で推移し、7月上旬の次の四半期決算が注目されます。
8月末には株主優待の権利確定日が控えており、無印良品での買い物が7%割引になる「シェアホルダーカード」は、現在はMUJIアプリの電子クーポンとしてネットストアでも利用できます。
より割引率の高い「良品週間(10%)」とは併用できず、「MUJI Card」は割引ではなくポイント優遇である点も押さえておきたいところです。
優待・配当の利回りは株価によって変わります。最新の情報を公式のIR・開示資料で確認しながら、ご自身の判断の参考にしてください。
参考
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
