<株主優待の権利付き最終日は9月28日>ANAホールディングス、1Q営業利益は43.5%減も国際線は訪日需要で過去最高の売上高
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<株主優待の権利付き最終日は9月28日>ANAホールディングス、1Q営業利益は43.5%減も国際線は訪日需要で過去最高の売上高

燃油費・為替が圧迫した1Qの収益構造と、直近2回の権利付き最終日をまたいだ株価の動きも解説

執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
07:00
<株主優待の権利付き最終日は9月28日>ANAホールディングス、1Q営業利益は43.5%減も国際線は訪日需要で過去最高の売上高
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この記事はここがポイント

  • ANAホールディングスの2027年3月期1Q決算は売上高が過去最高も、燃油費や為替の影響で営業利益43.5%減という結果
  • 9月30日基準日のANA株主優待は9月28日が権利付き最終日、国内線50%割引など
  • 過去2回の権利落ち日には株価が下落する傾向があり、直近も約4%と約2%弱の値下がり

9月末が近づくと、配当や株主優待の権利が確定する企業に個人投資家の関心が集まりやすくなります。

3月期決算の企業にとって9月末は中間期(上期)の末日にあたり、この時期を配当・優待の基準日に定める銘柄が少なくありません。

国内線・国際線を運航するANAホールディングス<9202>も、9月30日を基準日とする株主優待の対象銘柄の1つです。

同社は7月29日、2027年3月期第1四半期(4月〜6月期)の決算を発表しました。

稼ぎ頭であるどの事業がどれだけ稼いでいるのか、最新の決算からひも解いていきます。

2027年3月期1Qは売上高が過去最高も、営業利益は43.5%減

2027年3月期第1四半期(2026年4月1日〜6月30日)の連結業績は、売上高6,727億円(前年同期比+22.6%)、営業利益207億円(同▲43.5%)、経常利益225億円(同▲37.3%)、四半期純利益194億円(同▲15.4%)となりました。

 売上高は航空事業を中心に伸び、第1四半期として過去最高を記録しています。

一方で、営業利益・経常利益・純利益はいずれも前年同期を下回る結果となりました。

稼ぎ頭は売上高の9割超を占める航空事業

ANAホールディングスの事業は、航空事業・航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他の5つで構成されており、なかでも売上高全体の9割超(約92%)を占める航空事業が同社の稼ぎ頭にあたります。

航空事業の売上高は6,208億円(前年同期比+24.9%)と大きく伸びました。

国際線旅客の利用率は前年同期比5.7ポイント上昇の85.1%、旅客数は14.3%増となり、訪日需要や日本発のレジャー需要の取り込みが増収を後押ししました。

前年に連結子会社化した貨物専門会社NCAの収入も加わり、国際線貨物収入は583億円(同+37.9%)に伸びています。

 一方で、燃油費・燃料税が869億円増加するなどコスト増加が利益を圧迫し、航空事業の営業利益は181億円(同▲48.7%)とほぼ半減しました。

1Qの為替レートは実績159.2円/USDと、前年同期の145.2円/USDから9.6%円安が進行したほか、ドバイ原油も前年同期の68.0ドル/バレルから112.5ドル/バレルへ65.4%上昇しており、これらが燃油費増加の背景です。

そのほかのセグメントでは、航空関連事業が売上高926億円(同+7.4%)、営業利益49億円(同+54.3%)と増収増益となりました。旅行事業は売上高139億円(同▲9.3%)とコストマネジメントの徹底により、営業利益1億円(前年同期は営業損失2億円)へ黒字転換しています。

商社事業は売上高374億円(同+7.9%)と伸びたものの、人件費増加等により営業利益は10億円(同▲19.8%)と減益になりました。

通期見通し・配当は4月30日公表から据え置き

 通期の連結業績予想は、4月30日の公表から変更されていません。

売上高2兆7,700億円(前期比+9.1%)、営業利益1,500億円(同▲31.0%)、経常利益1,370億円(同▲37.6%)、純利益960億円(同▲43.2%)の計画です。

配当については、前期(2026年3月期)の年65円から、今期は年60円(中間30円・期末30円)を予定しています。

株主優待は9月30日が基準日、権利付き最終日は9月28日

ANAホールディングスは、毎年3月末・9月末の基準日時点で普通株式を100株以上保有する株主を対象に、ANAグループ各社・提携先企業で使える株主優待を用意しています。

9月30日の基準日時点の株主になるには9月28日までの購入が必要で、9月29日は権利落ち日にあたります。

9月末基準で対象となる主な内容は次の通りです。

  • ANA国内線「株主優待割引」:基準運賃から50%割引(片道1区間、株主優待番号1つにつき大人・小児それぞれ1名分利用可)
  • ANA国内線「シンプル」運賃割引:「シンプル」運賃から5%割引(同一予約全体・エコノミークラス対象)
  • 国内・海外ツアー商品優待:10%相当の割引(国内ホテルは2%割引)
  • 株主限定ツアーのほか、買い物・施設見学会・ゴルフ・ホテルなどの優待

なお、Peach(ピーチ・アビエーション)の国際線搭乗優待(4,000円割引)は3月末基準日時点の株主を対象とした発行のため、今回の9月末基準では対象外です。

基準日によって優待の対象が異なる点には注意が必要です。

株主優待番号(プロモーションコード)の発行枚数は、保有株数に応じて次のように異なります。

1枚につき、国内線片道1区間の株主優待割引を1名分利用できます。

保有株数:発行枚数

  • 100株~199株:1枚
  • 200株~299株:2枚
  • 300株~399株:3枚
  • 400株~999株:4枚(以降200株増えるごとに1枚追加)
  • 1,000株~99,999株:7枚(以降400株増えるごとに1枚追加)
  • 100,000株以上:254枚(以降800株増えるごとに1枚追加)

この50%割引はフレックス(正規運賃)からの割引であることが多く、早期購入が前提のANA SUPER VALUEなど事前予約割引運賃と比べると、直前予約や繁忙期以外ではかえって割高になる場合もあります。

搭乗日程を柔軟に変えたい場合や、直前予約・便変更に強みがある優待といえるでしょう。

優待の受け取りにはタイムラグもあります。

株主優待番号案内書は、9月末時点の株主に対して例年11月中旬ごろに発送される見込みで、権利確定日にすぐ使えるようになるわけではありません。

また、2027年3月末を基準とする優待からは、3年(7基準日)以上連続して300株以上を保有する株主を対象に、株主優待番号の追加枚数を贈呈する長期保有優遇制度が新たに導入される予定です。

株主優待の内容・条件は将来的に変更・廃止される可能性があるため、実際の利用条件や発行基準はANA公式サイトや株主専用サイトで確認してください。

前回・前々回の権利付き最終日をまたいだ株価の動き

株主優待や配当の権利確定日をまたぐタイミングでは、権利落ち日にかけて株価が調整しやすい傾向が一般的に知られています。

ANAホールディングス株について、直近2回の基準日にあたる2026年3月末と2025年9月末で、権利付き最終日を挟んだ3営業日の値動きを振り返ります。

2026年3月期末(3月31日基準日)

権利付き最終日は3月27日でした。

3月26日の終値2,988円に対し、権利付き最終日の3月27日は2,983円(前日比▲5円、▲0.17%)とほぼ横ばい。

権利落ち日となった3月30日は2,864.5円(前日比▲118.5円、▲3.97%)まで下落しています。

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2026年3月)

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2026年3月)
出所:各データより筆者作成

2025年9月期末(9月30日基準日)

権利付き最終日は9月26日でした。

9月25日の終値2,907円に対し、権利付き最終日の9月26日は2,924円(前日比+17円、+0.58%)とやや上昇。

権利落ち日の9月29日は2,872円(前日比▲52円、▲1.78%)まで下落しました。

 

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2025年9月)

権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2025年9月)
出所:各データより筆者作成

いずれの回も、権利落ち日には前日比でマイナスとなっており、大きな方向感としては共通しています。

ただし下落幅は3月期末が約4%、9月期末が約2%弱と差があり、権利落ちの影響だけでなく、その時々の相場全体の地合いなど他の要因も重なっている可能性があります。

過去の値動きが今後の9月末の権利落ちでも同様に再現される保証はない点に注意が必要です。

記者コメント

2027年3月期1Qは、国際線需要の回復を追い風に売上高が前年同期比+22.6%の増収となった一方、燃油費・燃料税だけで869億円ものコスト増加が発生し、営業利益は半減に近い水準まで落ち込みました。

同社の収益は原油価格や為替といった外部環境に左右されやすい構造にあることが、あらためて浮き彫りになった決算といえそうです。

通期の業績・配当予想は据え置かれていますが、2Q以降の決算内容と合わせてコスト動向を注視しておきたいところです。

9月30日を基準日とする株主優待については、権利付き最終日の9月28日までに購入手続きを終える必要がある点も、あわせて確認しておきたいポイントです。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者

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