この記事はここがポイント
- 三井住友ファイナンス&リースの個人向け5年債の利率が、前回債を1.207%上回る年2.765%に決定
- 先行した三菱HCキャピタル債の2.642%や個人向け国債「固定5年」の2.39%を上回る水準
- 購入単位は100万円以上で100万円投資時の税引後利息は年2万2,032円だが、途中売却時は元本割れリスクあり
23日、三井住友ファイナンス&リースの個人向けの5年債(第58回無担保社債)が、利率2.765%で条件決定しました。
仮条件2.450%~3.450%の中央よりやや下限寄りに着地しました。
同社が前回、個人向けに販売した第51回債(2025年9月発行、5年)の1.558%からは、+1.207%の上昇です。
三井住友ファイナンス&リース債の発行要項
- 銘柄名: 三井住友ファイナンス&リース株式会社 第58回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
- 発行総額:270億円
- 年限:5年
- 利率(税引前):年2.765%
- 各社債の金額:100万円
- 発行価格・償還金額:額面100円につき100円
- 利払日:毎年5月5日、11月5日 (初回は2027年5月5日)
- 条件決定日:2026年10月23日
- 申込期間:2026年10月26日~11月4日
- 払込期日:2026年11月5日
- 償還期限:2031年11月5日
- 格付け:AA(R&I)/AA(JCR)
- 引受会社(引受額): SMBC日興証券(200億円) 大和証券(25億円) SBI証券(15億円) 野村證券(10億円) みずほ証券(10億円) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(10億円)
新発債の発行要項
先行した三菱HCキャピタル債・クレディセゾン債との比較
同じノンバンクセクターで、同じ5年物の個人向け社債を2つ並べます。
三菱HCキャピタル<8593> 第31回無担保社債 (8月28日条件決定)
- 利率:年2.642%
- 格付け:AA(R&I)/AA(JCR)
- 購入単位:100万円以上100万円単位
クレディセゾン<8253> 第121回無担保社債 (7月17日条件決定)
- 利率:年2.448%
- 格付け:A+(R&I)/AA-(JCR)
- 購入単位:10万円以上10万円単位
格付けが同じAA/AAの三菱HCキャピタル債と比べると、三井住友ファイナンス&リース債の2.765%は+0.123%上回りました。
格付けで下回るクレディセゾン債(A+/AA-)の2.448%との差は、+0.317%です。
三菱HCキャピタル債の条件決定(8月28日)から今回までの間に、日本銀行は9月18日の金融政策決定会合で政策金利の引き上げを決めています。
財務省が公表している5年国債の金利は、8月27日・28日の2.2%前後から9月下旬には一時2.4%台まで上がりました。
仮条件が示された10月13日は2.3%台後半で、条件決定前日の10月22日は2.3%程度となっています。
個人向け国債「固定5年」との差は?
10月募集の個人向け国債「固定5年」(第187回債)の利率は年2.39%で、募集は10月30日までです。
三井住友ファイナンス&リース債の2.765%は、これを+0.375%上回ります。
申込期間は10月26日から30日までの5日間が重なります。
ただし、個人向け国債は1万円から購入でき、発行から1年が過ぎれば国が額面で買い取る中途換金の仕組みがあります。
三井住友ファイナンス&リース債は100万円単位で、途中で売るときは市場価格での売却になり、元本割れの可能性があります。
100万円を購入した場合の利息は?
100万円を購入した場合の1年間の利息は、以下のとおりです(税率20.315%、円未満切り捨て)。
- 税引前:2万7,650円
- 税引後:2万2,032円
5年間持ち続けた場合、税引後の利息の合計は単純計算で約11万円になります。
検討にあたっての注意点は「100万円単位」
最低投資金額は100万円以上100万円単位で、10万円単位のクレディセゾン債の10倍です。
格付けはAAと高い一方で、まとまった資金を5年間振り向けられるかが、検討の前提になります。
社債である以上、発行体の経営状況が悪化すれば、利払いや償還が予定どおり行われないおそれはゼロではありません。
満期の2031年11月5日まで持てば額面で償還されるのが原則ですが、途中で売却する場合は市場価格での取引になり、金利が上がっていれば購入価格を下回る可能性がある点に注意が必要です。
利息には20.315%(復興特別所得税を含む)が源泉徴収され、NISAの対象外です。
記者コメント
三井住友ファイナンス&リースの第58回債は、仮条件2.450%~3.450%の中央よりやや下限寄りの2.765%に決まりました。
格付けが同じ三菱HCキャピタル債の2.642%を0.123%上回り、先行した2銘柄をいずれも上回る水準での決着です。
前回の第51回債1.558%と比べると+1.207%で、同じ発行体の5年債でも1年あまりで利率の水準が大きく変わりました。
個人向け国債「固定5年」の2.39%との差は+0.375%です。
この上乗せを、100万円単位・途中売却時の価格変動というリスクと見合うと考えるかが、判断の分かれ目になりそうです。
申込期間は10月26日から11月4日までです。申込みを検討する場合は、目論見書に記載された正式な発行要項を確認してください。
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
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フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
