この記事はここがポイント
- 良品計画の2026年8月期連結決算は、営業利益が初の1,000億円超となる1,034億円で過去最高
- 10月23日開始の全品10%オフの無印良品週間では、100株以上保有の株主優待7%割引クーポンの併用は不可
- 2027年8月期は営業収益1兆140億円を見込み、セグメント利益で東アジア事業が国内事業を上回る計画
良品計画<7453>が展開する「無印良品」で、無印良品メンバーを対象に全品(一部商品を除く)が10%オフとなる「無印良品週間」が、10月23日から11月3日まで開催されます。
同社は100株以上を保有する株主に7%割引の株主優待クーポンを贈呈していますが、無印良品週間の優待とは併用できません。
一方、同社が10月14日に発表した2026年8月期の決算は、営業利益が初めて1,000億円を突破し、年間配当も従来予想から引き上げました。無印良品週間と株主優待の関係を整理したうえで、決算の中身を見ていきましょう。
無印良品週間と株主優待は併用できない
無印良品週間の概要は次のとおりです。
期間:2026年10月23日(金)~11月3日(火)(ネットストアは11月4日(水)午前10時まで)
内容:全品(書籍など一部商品を除く)10%オフ
対象:無印良品メンバー(MUJI アプリでの会員登録・ログイン済み、MUJI Card会員など)
株主優待のクーポンを持っている株主も、期間中は7%割引を上乗せすることはできません。
無印良品週間の特設ページには、株主優待クーポンと無印良品週間の優待は併用できず、割引率の高い無印良品週間の優待が優先して適用されると記載されています。
良品計画の株主優待は、毎年2月末または8月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、買い物の際に7%割引が適用される電子クーポンを贈呈するものです。
有効期間中は何回でも利用できます。対象店舗や次回の権利確定日などの詳細は、記事後半で解説します。
良品計画<7453>の2026年8月期決算、営業利益は初の1,000億円超え
10月14日に発表された2026年8月期(2025年9月~2026年8月)の連結決算は次のとおりで、いずれも過去最高を更新しました。
営業収益:9,235億円(前期比17.7%増)
営業利益:1,034億円(同40.1%増)
経常利益:1,046億円(同44.8%増)
純利益:764億円(同50.3%増)
営業利益率は前期の9.4%から11.2%に上がりました。
純利益の伸びが営業利益より大きいのは、為替差益や政策保有株式の売却益などの一過性要因が加わったためです。
2026年8月期の年間配当は、従来予想の32円から38円に引き上げました。
前期の実際の配当は50円でしたが、2025年9月1日付の株式分割(1株→2株)後の株数に換算すると25円で、そこから13円の増配です。
最も稼ぐ国内事業、利益が2割増えた理由は「原価」と「値下げの抑制」
同社の報告セグメントは「国内事業」「東アジア事業」「東南アジア・オセアニア事業」「欧米事業」の4つで、セグメント利益が最も大きいのは国内事業です。
- 国内事業:営業収益5,109億円(前期比8.7%増)、セグメント利益633億円(同21.6%増)
- 東アジア事業:営業収益2,937億円(同32.2%増)、セグメント利益616億円(同44.2%増)
- 東南アジア・オセアニア事業:営業収益665億円(同32.8%増)、セグメント利益91億円(同64.1%増)
- 欧米事業:営業収益522億円(同24.1%増)、セグメント利益80億円(同17.0%増)
国内事業は売上の伸びが8.7%にとどまる一方、セグメント利益は21.6%増えました。
生産体制の内製化による原価低減に加え、値下げの抑制(値引き販売を抑えること)と店舗運営の効率化が収益性の改善に寄与したとしています。
2番手の東アジア事業(中国大陸事業、台湾事業、香港事業、韓国事業など)も、セグメント利益で国内事業に迫る規模になりました。
営業利益率は21.0%と、4セグメントの中で最も高い水準です。
2027年8月期は営業収益1兆円超、配当は38円を予定
2027年8月期の予想は次のとおりです。
- 営業収益:1兆140億円(前期比9.8%増)
- 営業利益:1,140億円(同10.2%増)
- 経常利益:1,110億円(同6.0%増)
- 純利益:730億円(同4.5%減)
純利益の減益は、2026年8月期に計上した為替差益や政策保有株式の売却益など一過性利益の反動によるものです。
年間配当は2026年8月期と同じ38円を予定しています。
2027年8月期は東アジア事業が国内事業を上回る計画
セグメント別計画では、2027年8月期のセグメント利益は次のとおりです。
- 国内事業:693億円(前期比9.3%増)
- 東アジア事業:715億円(同15.9%増)
- 東南アジア・オセアニア事業:110億円(同20.0%増)
- 欧米事業:56億円(同30.8%減)
計画どおりに進めば、セグメント利益で東アジア事業が国内事業を上回ります。
一方、欧米事業は減益の計画です。
2027年3月にロンドン・オックスフォードとパリ・リボリで旗艦店の開店を予定しており、こうした出店の先行投資を見込んでいるためです。
同社は、2029年8月期に営業収益1兆2,980億円、営業利益1,560億円、営業利益率12.0%を目指す3ヶ年ローリング計画も公表しています。
2028年8月期の計画は、2025年10月に公表した営業収益1兆800億円、営業利益1,080億円から、1兆1,390億円、1,280億円に引き上げました。
良品計画<7453>の10月19日の株価と指標
19日の株価終値は4,719円(前日比:+10円、+0.21%)でした。
10月14日の大引け後に決算が発表され、翌10月15日は前日比+417円(+9.51%)の4,804円まで買われました。同日は取引時間中に4,855円をつけ、上場来高値を更新しています。
10月16日は反落して4,709円で取引を終え、10月19日の終値は4,719円でした。
10月19日終値ベースの株価指標は次のとおりです。
- PER(会社予想):34.33倍
- PBR(実績):6.10倍
- 配当利回り(会社予想):0.81%
1月8日につけた年初来安値2,770円と比べると、約1.7倍の水準にあります。
良品計画の年間チャート
100株から使える7%割引の株主優待
良品計画の株主優待は、毎年2月末または8月末時点で100株以上を保有する株主が対象です。
保有株数による違いはなく、100株以上であれば同じ内容になります。
- 優待内容:買い物の際に7%割引が適用される電子クーポン
- 使い方:「MUJI アプリ」でクーポンを取得し、レジでアプリを提示(セルフレジでも利用可)
- 利用回数:有効期間中は何回でも利用可
- 使える店舗:日本国内の無印良品、無印良品 500、Found MUJI、MUJI com、MUJI to GO、ネットストア、Café&Meal MUJI、Café MUJI、MUJI Bakery、MUJI Diner、IDÉE
- 使えない店舗:ローソン各店、海外店舗、キャンプ場、MUJI HOTEL等
有効期間中は利用回数に上限がないため、まとめ買いだけでなく日常の買い物でも毎回使えます。
たとえば期間中に合計10万円分の買い物をすれば、割引は累計7,000円になります。
無印良品で日用品や衣類を頻繁に買う家庭ほど、優待のメリットを感じやすい優待といえます。
一方で、酒類、日配品、生鮮食品、書籍、福缶などは対象外です。
また、他の割引を行っている際は、その割引が優先されます。1ページ目で触れたとおり、無印良品週間の期間中は株主優待クーポンを併用できず、無印良品週間の10%の優待が適用されます。
なお、クーポンを利用できるのは株主本人のみです。
優待は5月上旬と11月下旬に配当金関係書類等に同封して届き、それぞれ5月上旬以降、11月下旬以降に利用を開始できます。
2026年8月末を基準とする分は、11月下旬の発送予定です。
次回の権利確定日は2027年2月26日です。
同社の株主優待ページでは、権利付き売買最終日を2月24日、権利落ち日を2月25日としています。
100株を購入するのに必要な資金は、10月19日の終値で計算すると47万1,900円です。
※株主優待の内容は変更される可能性があるため、公式サイトを確認してください。
記者コメント
良品計画の2026年8月期は、7月時点の予想をさらに上回り、営業利益が初めて1,000億円を超えました。国内事業は売上が1割弱の伸びでも利益が2割増えており、生産の内製化による原価低減と値下げの抑制が、数字のうえでもはっきり表れた決算でした。
2027年8月期の純利益は減益の予想ですが、これは2026年8月期に為替差益や政策保有株式の売却益などの一過性利益があったことの反動で、同社は一過性要因を除けば増益の計画としています。見出しの「減益」だけで判断せず、営業利益の計画(10.2%増)とあわせて見ておきたいところです。
一方、来期は東アジア事業が国内事業を利益で上回る計画で、海外事業の比重が一段と高まります。海外事業の比率が高まるほど、為替の変動が円換算の業績に与える影響も大きくなります。
2026年8月期は為替が営業利益を前期比で48億円押し上げていました。同社は決算短信で、地政学情勢の不安定化などにより景気の先行きは不透明な状況が続くとしており、東アジア事業の中核である中国大陸事業の動向と、欧米事業の先行投資の進み具合に注目したいところです。
同社は決算説明会で、2027年8月期は上期の方が営業利益率の前期からの改善幅が大きい想定と説明しています。2027年1月13日に予定されている第1四半期決算で、その進み具合を確認したいところです。
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
