ENEOSホールディングス<5020>の2026年3月期通期は営業利益が前期比+339.8%と急増した。ただし在庫影響を除くと伸びの姿は変わる。ROE8.0%と昨秋以降の株価をあわせて整理する。
この記事はここがポイント
- ENEOSホールディングスの2026年3月期営業利益が339.8%増の4,666億円と急増した背景には、前期の在庫評価による利益押し下げからの反動があり、変化率自体が実力を測る物差しになりにくい点。
- 石油元売り事業の利益は原油価格や為替、在庫評価といった外部要因に大きく左右され、過去5期の営業利益は大きく変動しており、安定業種のイメージとは異なる利益構造であること。
- 今後の株価や業績を評価する際は、在庫影響を除いた実力ベースの利益水準と、原油・為替の前提条件を重視し、まもなく発表される2027年3月期1Q決算で通期予想の前提がどう点検されるか。
石油元売りと聞くと、生活に欠かせない燃料を安定して供給し、手堅く配当を出す会社という姿を思い浮かべる人は多いだろう。だが決算の利益を1期ずつ並べてみると、その印象とはずいぶん違う振れ方をしている。ENEOSホールディングス<5020>の営業利益は、年によって大きく膨らんだり縮んだりする。次の四半期決算の発表を前に、その振れの正体を株価と重ねて考えてみたい。 ※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。
まず直近の通期決算から見ていこう。2026年3月期の売上収益(IFRS…
出所:各種資料をもとに筆者作成1/1

オリックスなどの国内金融機関出身。日本株アナリストおよび財務アドバイザーとして決算分析や資金調達を主導。「日経CNBC」出演などメディアを通じた相場解説の実績も豊富。企業財務に精通し、現在はモニクルリサーチで金融ニュースの深掘り記事を発信。