この記事はここがポイント
- 権利確定日前後の株価は大きく変動し、優待還元額を上回る含み損を抱えるリスク
- イオン株主優待「オーナーズカード」はキャッシュバック最大7%、イオンシネマ優待は映画料金値上げ後も1,000円据え置き
- 直近2回の権利付き最終日前3営業日は株価が下落基調で推移
イオン<8267>の株価は24日、前日比17.5円安(▲1.26%)の1,368円で取引を終えました。
同社株は1月5日につけた年初来高値2,542円から、6月23日には年初来安値1,274円まで下落する場面があり、直近はそこから7.4%ほど値を戻した水準で推移しています。
そんなイオン株について、今投資家の間で意識されているのが、株主優待「オーナーズカード」の次回の権利確定タイミングです。
27日が権利付き最終日にあたり、優待取得を狙った駆け込み需要が意識されやすい時期を迎えています。
もっとも、優待の権利を得るための株式取得には見落とされがちな注意点があります。
権利確定日の前後は株価が普段以上に大きく動きやすく、タイミング次第では含み損を抱えるリスクもあるのです。
今回は、100株以上で受けられるオーナーズカードの中身とあわせて、直近2回(2025年8月・2026年2月)の権利付き最終日前後の株価の動きを確認しながら、優待取得時に意識しておきたいポイントを整理します。
株主優待「オーナーズカード」、100株以上でキャッシュバックと映画優待
イオンの株式を100株以上保有すると、株主特典として「イオン株主様ご優待カード(オーナーズカード)」がもらえます。
保有株数とキャッシュバック率(半年間の購入金額に対する還元、上限は家族カード利用分を含め半期100万円)は次の通りです。
保有株数:キャッシュバック率
- 100~199株:1%(2026年2月新設)
- 200~299株:2%(2026年2月新設)
- 300~1,499株:3%
- 1,500~2,999株:4%
- 3,000~8,999株:5%
- 9,000株以上:7%
毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」では、本来の5%割引にこのキャッシュバックを併せて適用できる「二重取り」が可能な点も特徴です。
なかでも意識しておきたいのが、イオンシネマの映画料金優待です。オーナーズカード提示で、大人・大学生は1,000円、高校生以下は800円の優待価格で鑑賞でき、カード1枚につき同伴者を含め最大4名まで利用できます。
ポップコーン(Sサイズ)またはドリンク(Sサイズ)のどちらか1点の無料引換券が付く特典も、2025年10月から復活しています。
イオンシネマでは6月19日に鑑賞料金が値上げされ、一般料金は1,800円から2,000円に上がりました。
一方でオーナーズカードの優待価格は1,000円のまま据え置かれたため、優待価格との差額は800円から1,000円へ、割引率も44.4%から50%へと拡大しています。値上げ後もオーナーズカードを使うメリットはむしろ大きくなった形です。
なお、この優待鑑賞料金の利用は自動券売機でオーナーズカードを読み込む方法に限られ、「e席リザーブ」などのオンライン予約やムビチケでの購入では割引・飲食特典の対象にならない点には注意が必要です。
このほか、買い物途中に利用できる「イオンラウンジ」も2026年5月1日から保有株数に応じた利用回数制へと変更されており、100~299株の株主は月4回、300~1,499株は月8回、1,500株以上は月16回となっています(従来は一律月8回でした)。
2026年8月末の権利確定までのスケジュール
次回の優待の権利を得るためのスケジュールは次の通りです。
- 権利付き最終日(最終売買日):2026年8月27日(木)
- 権利落ち日:2026年8月28日(金)
- 権利確定日:2026年8月31日(月)
- オーナーズカードの発送:権利確定日から約2カ月後(10月下旬が目安)
権利付き最終日である27日の取引終了時点で100株以上を保有していることが、優待取得の条件になります。
24日時点で見ると、権利付き最終日まで残る営業日は25日・26日・27日の3営業日のみで、権利確定のタイミングはいよいよ目前に迫っています。
ここまで見てきた通り、イオンの株主優待は100株という比較的少ない投資額から、キャッシュバックと映画優待の両方が受けられる、個人投資家に人気の高い制度です。
一方で、権利確定日をはさんだ株価は普段よりも変動が大きくなりやすく、優待目当ての取得タイミング次第では思わぬ含み損を抱えることもあります。次ページでは、実際に直近2回(2025年8月・2026年2月)の権利付き最終日をはさんだ株価の動きを、日次データをもとに具体的に確認していきます。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
