【年金の繰上げ・繰下げ受給】実際に選ばれているのはどっち?
実際に繰上げや繰下げを選択している人はどの程度いるのでしょうか。令和6年度末現在では、繰上げ率は1.2%、繰下げ率は1.9%となっており、繰下げの利用が繰上げを上回っています。
厚生年金保険(第1号) (老齢厚生年金)受給権者の繰上げ・繰下げ受給状況の推移
- 繰上げ率:1.2%
- 繰下げ率:1.9%
すでに繰下げの利用者が繰上げを上回っています。さらに、「70歳時点」の状況を見ると、繰下げ率は4.2%にまで上昇しており、近年増加傾向が顕著です。
【IFA相談事例】将来の年金不安はどう解消する?資産形成のバランス
これまでのデータからも分かる通り、公的年金だけでゆとりある老後を送ることは難しく、早い段階からの「自助努力」が求められます。
IFAとして実際にお客様と資産形成の話をすることもありますが、一般的に「老後の資産形成や、年金に対する悩み」は少なくないと感じます。
「老後の資産形成、年金に対する悩み」
《漠然とした年金不安》
「将来もらえる公的年金だけで生活できるのか」という不安から資産形成の必要性を感じ、ご自身でNISAを調べ始めておられました。
《選択肢が多くて迷う》
しかし、職場の共済や民間の個人年金など選択肢の多さに戸惑い、「どれをどう組み合わせるのが正解か」が分からず立ち止まっていました。
老後資産形成で大切な考え方とは
①公的年金を「土台」と捉える
まずは公的保障を老後生活の土台と考え、それでは不足する金額(自分に足りない額)を把握することが資産形成の出発点になるでしょう。
②「攻め」と「守り」を組み合わせる
その上で、柔軟でリターンを狙える「攻め」のNISAと、着実に資金を準備する「守り」の個人年金など、特性の違う制度をバランス良く組み合わせることが大切ですね。
③お金の置き場所と時間を意識する
毎月の積立額が同じでも、お金の置き場所(NISAや外貨建て年金など)によって将来の結果は変わります。早く始めて時間を味方につけることが最大の強みになります。
「NISAか個人年金か」と二者択一で決めつけるのではなく、まずは公的年金という土台を確認したうえで、各制度の役割を整理して組み合わせることが、将来の不安解消への第一歩となります。
まとめにかえて
今回は最新のデータに基づく厚生年金の受給額の実態と、繰上げ・繰下げ受給の仕組み、そして老後に向けた資産形成の考え方について解説しました。
月20万円以上の年金を受け取れる方は全体の2割弱であり、年金制度の仕組みを正しく理解した上で、NISAやiDeCoを活用した早めの資産形成が重要になります。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。

老後資金の不安を和らげる一番の近道は、自分自身の「現在地」と「ゴール」を具体的な数字で把握することです。「月々いくら足りないか」が分かれば、必要以上に焦ることはなくなります。金融機関の無料相談やライフプランシミュレーションを活用し、ご自身に合った無理のないペースで備えを始めてみましょう。