AGC(5201)、2026年12月期上期は当期利益+155%。黒字転換と資本効率のギャップ
testing/Shutterstock.com
執筆者石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ
05:00
AGC(5201)、2026年12月期上期は当期利益+155%。黒字転換と資本効率のギャップ
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この記事はここがポイント

  • AGCは「ガラスの会社」イメージと異なり、化学品と電子稼ぎ頭
  • 2026年12月期上期当期利益155.4%増は、前期の一時費用反動が主因
  • 2025年12月期ROE4.7%は業種中央値7.6%未満、資本効率に課題

社名を聞いて多くの人が思い浮かべるのは、建物や自動車の窓ガラスかもしれない。AGC(5201)はガラスの会社、という印象が今も強い。だが決算を開くと、いちばん稼いでいるのはガラスではない。株価が昨秋から水準を切り上げてきたこの1年を、事業の中身からたどってみたい。 ※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

昨秋からの株価と、当期利益が2.5倍になった上期

出所:各種資料をもとに筆者作成1/1

AGCの株価は、2025年9月末に4,800円台だった。

2026年6月末には6,900円台まで水準を上げ、その後は8月時点で5,900円台へと上げ幅の一部を戻している。昨秋からの1年でみれば、緩やかに切り上がった形だ。

2026年12月期上期の決算は、売上収益(IFRS)が1兆1,006億円で前年同期比+10.6%、営業利益は646億円で+19.7%だった。税引前利益は603億円(+78.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は355億円(+155.4%)と、利益の伸びが売上を大きく上回っている。

会社が据え置く通期予想は、営業利益1,500億円、当期利益770億円である。上期時点の進捗は営業利益で4割強、当期利益で5割弱にあたり、通期の折り返しをおおむね順当に通過した水準といえる。

もっとも、当期利益が2.5倍に膨らんだ理由は、売上や営業利益の伸びだけでは説明がつかない。答えは営業段階の外にある。

「ガラス会社」の看板と、稼ぎ手のずれ

事業の顔ぶれを、上期の営業利益で並べてみる。

最も稼いだのは化学品の281億円で、電子が187億円、オートモーティブが133億円と続く。ガラスの本丸である建築ガラスは87億円にとどまり、ライフサイエンスは60億円の営業損失だった。

ガラスの会社という看板と、実際に利益を生む場所は、少しずれている。売上構成で最も大きいのは化学品で、直近通期では連結の3割近くを占めた。

マージンで見ても顔ぶれは変わる。営業利益率が最も厚いのは電子で、直近通期は13%台に達した。一方で建築ガラスの利益率は4%前後と薄い。「ガラスのAGC」というイメージと、稼ぐ力の中身は必ずしも一致しない。

自動車用ガラスを扱うオートモーティブは、直近通期に採算が大きく改善した事業だが、今上期の営業利益は前年同期をやや下回り、足踏みの色がにじむ。電子も上期は前年から利益を落としている。ガラスや自動車まわりが一服するなかで、化学品が全体を下支えした構図が見える。

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石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ

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