この記事はここがポイント
- SMC株価は昨秋以降7割急伸したが、ROEは8.3%へ低下し資本効率が課題である。
- 2027年3月期1Qは営業利益が66.4%増と急回復、半導体関連需要が貢献した。
- 高収益だが自己資本比率9割超、潤沢な自己資本の活用が今後の鍵となる。
昨秋以降で水準を切り上げた株価、その道中の振れ
SMCの株価は、2025年9月末の45,000円台から、2026年8月時点では78,000円台まで水準を切り上げてきた。昨秋以降で7割ほどの上昇だ。
もっとも、その道中は一本調子ではない。2026年2月末に一時75,000円台まで駆け上がった後、3月末には59,000円台まで下押しし、4月末には再び76,000円台へと切り返した。
その後も6月末から7月末は70,000円台で横ばい圏となり、2026年8月時点で78,000円台へ水準を上げている。月ごとの上下動は大きく、値動きの荒さがこの1年弱の特徴といえる。
2026年8月時点の78,000円台は、昨秋以降の月末終値と比べても高い水準にある。半導体や省人化といった長期テーマへの期待が、株価に織り込まれてきた局面と読み取れる。
2027年3月期1Qで営業利益が66%増、半導体が押し上げる
足元の業績は勢いを取り戻している。2027年3月期1Q(2026年4月〜6月)の売上高は2,709億円(前年同期比35.4%増)、営業利益は739億円(同66.4%増)、純利益は678億円(同95.9%増)と、大幅な増収増益で着地した。
会社の説明によると、半導体関連を中心に各国で設備投資意欲が回復し、中華圏では半導体・液晶・二次電池など幅広い分野で設備投資が拡大した。日本・北米・アジアではAI・先端半導体向けの需要が高水準で推移したという。人件費や減価償却費は増えたものの、増収がそれを上回り大幅増益になったとしている。
もっとも、前年同期の1Qは営業利益が15.1%減と落ち込んでいた。今回の急回復には、その反動という側面も含まれると読める。
通期予想である営業利益2,190億円(前期比14.9%増)に対して、1Qの進捗率は3割強にあたる。単純な4分の1のペースは上回る計算だ。それでも会社は通期予想を据え置いており、下期以降の需要の持続性は慎重に見ているとも受け止められる。
オリックスなどの国内金融機関出身。日本株アナリストおよび財務アドバイザーとして決算分析や資金調達を主導。「日経CNBC」出演などメディアを通じた相場解説の実績も豊富。企業財務に精通し、現在はモニクルリサーチで金融ニュースの深掘り記事を発信。
