この記事はここがポイント
- ディスコ2027年3月期1Qは営業利益42%増と好調も、株価は期待先行で3割急落、期待値調整の動き。
- 営業利益率4割超、6期連続最高益更新、消耗品事業が景気変動に強い収益基盤。
- 1Q売上高1,143億円、営業利益490億円を計上。
半導体製造装置は、需要の波が大きい景気敏感な世界とされる。ディスコ(6146)はその代表格でありながら、足元では生成AI向けの追い風を受けて最高益を更新し続けている。ところが株価は、直近の決算発表を境にむしろ大きく下げた。強い業績と急落した株価、その食い違いを、昨秋以降の月末終値と決算から順にたどってみたい。 ※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。
6月末の高値から一転、7月に急落した株価
昨秋以降の株価は、水を得ては引くような荒い値動きが続いた。調整後終値は2025年9月末の46,510円から、11月末には43,730円まで下げる場面があった。だがそこからは上昇基調に転じ、2026年6月末には81,260円と、昨秋以降で最も高い水準まで駆け上がっている。9カ月ほどで7割を超える急騰だった。
流れが変わったのは7月だ。7月末の終値は58,480円と、6月末から3割ほども下げた。8月時点でも58,440円と、下げた水準のまま横ばいで推移している。急落のタイミングは四半期決算の発表時期と重なっており、市場の関心がこの決算に集中したことがうかがえる。
2027年3月期1Qは営業利益490億円、42%の増益
株価の急落とは裏腹に、1Qの業績は力強かった。2027年3月期1Qの売上高は1,143億円で前年同期比27.1%増、営業利益は490億円で同42.2%増、親会社株主に帰属する純利益は342億円で同44.0%増となった。会社によれば、生成AIの需要拡大を背景にデータセンター向けの投資が続き、先端ロジックやHBMと呼ばれる高帯域幅メモリなど、高性能半導体向けの需要が高水準で推移したことが背景にある。
利益の伸びが売上の伸びを上回った点も見逃せない。会社は、為替の影響と高付加価値製品の増加によって売上総利益率が上昇し、人件費や研究開発費といった販管費の増加を吸収して増益になったと説明している。装置本体だけでなく、消耗品である精密加工ツールの出荷も、顧客の設備稼働率に連動して高水準が続いた。
オリックスなどの国内金融機関出身。日本株アナリストおよび財務アドバイザーとして決算分析や資金調達を主導。「日経CNBC」出演などメディアを通じた相場解説の実績も豊富。企業財務に精通し、現在はモニクルリサーチで金融ニュースの深掘り記事を発信。
