この記事はここがポイント
- イオン優待は最大7%還元、2026年5月よりラウンジ利用変更
- イオン九州・北海道は100円券と、異なるラウンジ利用条件
- イオン九州はROE10.4%、PER14.96倍と割安な株価
イオングループの株主優待というと「イオンオーナーズカード」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ただ、同じイオングループでも、イオン(8267)・イオン九州(2653)・イオン北海道(7512)の3社では、必要株数や優待額、権利確定の回数が異なります。
次回の権利確定日である8月末が近づいてきたこのタイミングで、3社の優待条件と株価指標を整理していきます。
3社の株主優待、保有株数別の優待額はどう違うのか
それでは3社の株主優待の制度をそれぞれ見ていきましょう。
イオン(8267) 権利確定日:2月末・8月末(年2回)
100株以上でオーナーズカードが発行され、保有株数に応じて買い物代金の一部が半年ごとに還元されます。
還元率は100株以上で1%、200株以上で2%、300株以上で3%、1,500株以上で4%、3,000株以上で5%、9,000株以上で7%。毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」の5%割引とも併用できます。
イオンシネマでは大人・大学生1,000円、高校生以下800円で鑑賞できる優待もあります。
さらに3年以上1,500株以上を継続保有すると、毎年5月下旬頃にイオンギフトカードが贈呈されます(1,500株以上1,000円、3,000株以上2,000円、6,000株以上4,000円、9,000株以上6,000円、15,000株以上10,000円)。
特典①:買い物額に応じたキャッシュバック(ご返金)
お会計時にオーナーズカードを提示し、現金やWAON、イオンマークのクレジットカードなどで支払うと、半期ごとの買い物額に応じて現金がキャッシュバックされます。
2025年9月の株式分割(1株→3株)に伴い、2026年2月から返金率の区分がリニューアル(新設枠が登場)しました。
現在の返金率は以下の通りです。
- 100株以上 199株以下:返金率 1%(2026年2月に新設)
- 200株以上 299株以下:返金率 2%(2026年2月に新設)
- 300株以上 1,499株以下:返金率 3%
- 1,500株以上 2,999株以下:返金率 4%
- 3,000株以上 8,999株以下:返金率 5%
- 9,000株以上:返金率 7%
キャッシュバックの対象となるお買い物上限額は、家族カード分と合算して半年間で100万円までです。
上限まで買い物をした場合、1%の区分(100株保有)なら最大1万円戻ってくるため、食料品をはじめとする値上げが続くなかでは家計にうれしい制度です。
特典②:「お客さま感謝デー」は5%割引とダブルでお得
毎月20日・30日に開催されるイオンの定番イベント「お客さま感謝デー」。
この日にオーナーズカードを提示して買い物をすると、「お客さま感謝デーの5%割引」を受けられ、さらに「保有株数に応じたキャッシュバック」もダブルで適用されます。
割引と返金の「二重取り」ができるため、まとめ買いのチャンスです。
たとえば同じ小売大手の良品計画(無印良品)の株主優待では「無印良品週間」など、ほかの割引サービスとの併用はできません。
他社では「どちらか有利な方ひとつだけ」となるケースが多いなか、イベント割引と優待特典をしっかり「二重取り」できるイオンの制度は、非常に太っ腹で強力なメリットと言えます。
特典③:イオンシネマやグループ店舗での即時割引
カードの提示により、その場で割引や優待料金が適用されるサービスもあります。
日常のエンタメや外食がぐっと身近になります。
イオンシネマ(映画鑑賞)
- 鑑賞料金:大人・大学生は一律1,000円 / 高校生以下は一律800円に
- さらに嬉しい特典:オーナーズカード1枚につき、「ポップコーン(Sサイズ)」または「ドリンク(Sサイズ)」のどちらか1つの無料引換券がもらえます
人気の高いイオンシネマの割引特典ですが、これは「イオン本体」にしかない制度ですので、注意してください。
飲食専門店での10%割引
「おひつごはん四六時中」「天ぷら和食処四六時中」「ごはん処四六時中」などの各四六時中ブランド、および「SANUKI TERRACE」での会計総額から10%割引に。
利用上の注意点
イオンシネマや飲食店などの「その場で割引になる特典③」の利用分は、特典①の「後から現金で戻ってくるキャッシュバック」の対象外となりますので注意してください。
また、特典を受けるにはカード現物、または公式アプリ(iAEON)内のアプリ版オーナーズカードの提示が必要です。
【2026年5月改定】「イオンラウンジ」の利用回数が保有株数に応じて変わることに
「イオンラウンジを使いたい」という目的で株主優待を取得する個人投資家も多いというほど、人気の特典です。
この利用条件が2026年5月1日に改定されました。新しい条件は以下の通りです。
【変更後(2026年5月〜)】
- 100株〜299株の株主:月4回に減少
- 300株〜1,499株の株主:月8回(現状維持)
- 1,500株以上の株主:月16回に増加
ここがポイント!株式分割との関係
イオンは2025年9月に「1株を3株にする株式分割」を行いました。
分割前から100株を保有していた個人投資家は、自動的に「300株保有」へとステップアップしているため、改定後も変わらず「月8回」の枠が維持されます。
これから新規に100株(投資金額を抑えて)購入する方は、月4回のスタートになる点を押さえておきましょう。
イオン九州(2653) 権利確定日:2月末・8月末(年2回)
イオン九州では100円券が保有株数に応じて贈呈されます。
100株以上の株主には「イオンラウンジ会員証」も年1回発行されますが、発行の基準となるのは2月末日のみで、8月末の権利確定では新規発行されない点に注意が必要です。
イオン九州の株主優待一覧
【スケジュール】2026年8月末の権利確定までの流れは?イオンとイオン九州の重要日程を漏れなくチェック
イオンの株主優待(オーナーズカード)をもらうには、以下の具体的なスケジュールに沿って株式を購入・保有しておく必要があります。
権利付き最終日(最終売買日):2026年8月27日(木)
優待の権利を得るために、この日の大引け(株取引の終了時間15:30)までに株を購入、または保有している必要があります。
権利落ち日:2026年8月28日(金)
この日以降に株を売却しても、8月末時点の優待の権利は消失しません。反対に、この日に新しく購入しても8月末の優待は受けられません。
権利確定日:2026年8月31日(月)
株主名簿に名前が記載され、正式に株主としての権利が確定する日です。
案内・カードの発送時期
新規に権利を取得した場合、10月下旬頃に案内や「オーナーズカード」が自宅に届きます。
一度カードを取得すれば、指定の株数を保有し続ける限り、半期ごとに自動で継続利用(およびキャッシュバック対象の更新)が可能になります。
イオン北海道(7512) 権利確定日:2月末のみ(年1回)
100円券が保有株数に応じて贈呈されます。
500株以上の個人株主はイオンラウンジも利用できます。
また、2月・8月時点で同一株主番号のまま500株以上を7回以上連続保有した株主には、長期保有優待としてイオンギフトカードが贈呈されます(500株以上2,000円、2,000株以上4,000円、3,000株以上6,000円、5,000株以上10,000円)。
優待券にも「1,000円(税込)以上の購入で1,000円ごとに1枚」といった利用単位や、酒類・タバコなど対象外商品があるため、利用時は公式サイトで確認してください。
イオン北海道の株主優待一覧
稼ぐ力(ROE)とバリュエーション(PER・PBR)で見る3社の違い
3社の中では、イオン九州のROEが10.4%と際立って高く、稼ぐ力の面ではグループ内で頭一つ抜けた存在です。
それでいてPER(会社予想)は14.96倍と3社の中で最も低く、株価指標だけを見ると相対的に割安な水準にあると言えそうです。
一方、イオンとイオン北海道はPERが30〜50倍台と高く、ROEの水準に比べると株価が先行して評価されている印象です。
もっとも、PERは各社の成長期待や事業内容によって水準が変わるため、この差だけで割高・割安を断定できるものではありません。
3社の指標比較
※EPS・ROEは各社の有価証券報告書(2026年2月期)に基づく実績値です。株価は2026年8月12日時点、PERは会社予想ベース、PBRは実績ベースの数値です。
7月度の月次売上高はどうだった?
イオンは2026年8月10日、主要な連結各社の7月度月次売上高(前年同期比)を開示しました。既存店ベースで見ると、6月度は3社そろって前年を下回っていましたが、7月度は3社ともに回復し、前年実績を上回りました。
- イオンリテール:全店103.2%、既存店101.5%(6月度は既存店94.8%)
- イオン九州:全店101.6%、既存店100.4%(6月度は既存店96.8%)
- イオン北海道:全店100.6%、既存店101.0%(6月度は既存店99.8%)
猛暑を背景にした空調家電や熱中症対策商品、夏のレジャー関連商品の需要を取り込んだことが、7月度の回復につながったとみられます。
なお、2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震に触れており、「業績影響については現在精査中であり、開示すべき事項が生じた場合には速やかに公表いたします」としています。
記者コメント
同じイオングループの株主優待でも、イオンはオーナーズカードの還元率とイオンシネマ優待、イオン九州はROEの高さと優待額の伸びしろ、イオン北海道は800円台という少額から投資できる手軽さと、それぞれ違った魅力があります。
次回の権利確定日である8月末に向けて、自身のライフスタイルに合った企業を検討してみてください。
一方で、イオン本体とイオン九州は、熊本地震による被害の影響について、「精査中」としており、業績にネガティブな材料が出る可能性も考慮しておく必要があるでしょう。
「イオンラウンジ」の利用や「イオンシネマ」の割引が目的なら、イオンゴールドカードやイオンカード(ミニオンズデザインなど)にも特典があります。
これらが目当ての場合、株主優待以外でも特典を得られるラインナップがありますので、幅広く検討することをおすすめします。
参考
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
