個人向け国債、8月募集分の条件
- 変動10年:利率1.87%(税引前、基準金利2.83%×0.66)
- 固定5年:利率2.06%(税引前、基準金利2.11%-0.05%)
- 固定3年:利率1.71%(税引前、基準金利1.74%-0.03%)
- 前回(7月)からの変動:変動10年は+0.07%、固定5年は+0.11%、固定3年は+0.15%の上昇
- 募集期間:2026年8月6日~8月31日
- 発行日:2026年9月15日
- 最低購入額:1万円から1万円単位
- 中途換金:発行から1年経過後はいつでも可能(直前2回分の利子相当額が差し引かれる)
- 最低金利保証:年率0.05%
安全性が高いといわれる「債券投資」、死角はないのか?
株式投資に比べて安全性が高いとみなされる債券ですが、それでも「投資」である以上、リスクはゼロではありません。
注意点を1つずつ確認していきましょう。
価格変動リスク
個人向け国債の固定5年・固定3年は、発行後に市場金利がさらに上昇すると、途中売却時の価格が下落する可能性があります。
個人は機関投資家のように厳しく評価損益を管理する必要はありませんが、それでも持っている既発債の「現在の評価額」は、株式と同じように自身の証券口座で表示されます。
多くの債券の単価は「100.00円」に設定されていますが、これがたとえば評価額が下がっている場合、「時価単価」として「98.00」などと示され「時価評価損益」が確認できる証券会社もあります。
足元は金利が上昇傾向で、すなわち債券価格は下落基調にあるため、購入したばかりの債券がさっそくマイナス表示される、ということもあります。
満期まで保有すれば元本は戻ってくるため、途中で売る予定がなければこの点を過度に心配する必要はありませんが、株式の含み損のように「マイナス評価に耐える」という側面はもちろん存在します。
金利変動を取り込めるかどうかの違い
個人向け国債の場合、変動10年は基準金利に応じて半年ごとに利率が見直されるため、今後も金利上昇が続けば利率も追随して上がっていきます。一方、固定5年・固定3年は発行時点の利率で固定されるため、その後さらに金利が上がった場合は相対的に不利になる可能性がある点に注意が必要です。
信用リスク
個人向け国債は国が発行するため、社債のような発行体の経営リスクを心配する必要がない点は、社債・地方債との大きな違いです。
社債・地方債の完売リスク
先述のとおり、社債・地方債は人気が集中すると条件決定後すぐに完売してしまうことがあります。狙っている銘柄がある場合は、条件決定のタイミングをこまめに確認することが大切です。
記者コメント
金利上昇局面が続くなか、新発の社債・地方債は完売が相次ぎ、個人投資家にとって「買いたくても買えない」という状況が生まれています。
これらはもともと供給が限定的で、多くの場合が「発売即完売」という状況でしたが、金利上昇によって人気に拍車がかかっており、競争が激しくなっています。
こうしたなかで、いつでも申し込める個人向け国債は、投資先の選択肢が限られる今の環境において改めて検討する価値がある商品といえるでしょう。
もっとも、変動10年と固定5年・固定3年では金利上昇局面での有利・不利が異なるため、それぞれの商品性を理解したうえで、自身の資金計画に合った選択をすることが重要です。
参考資料
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
