TDK(6762)、2027年3月期1Qは営業利益+53%の増収増益。二次電池とAIデータセンター向けが牽引した中身を読む
Tada Images/shutterstock.com
執筆者石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ
17:20
TDK(6762)、2027年3月期1Qは営業利益+53%の増収増益。二次電池とAIデータセンター向けが牽引した中身を読む
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この記事はここがポイント

  • TDKの主軸は二次電池のエナジー応用製品で、スマホ部品中心というイメージと異なる事業構造。
  • 2027年3月期1Qは売上38.3%、営業利益53.0%の大幅増収増益、円安とAIデータセンター向けが牽引。
  • 株価は昨秋以降1,900円台から4,100円台へ急騰、事業の伸びと乖離する高いボラティリティ。

TDKと聞いて思い浮かべるのは、スマートフォンに載る小さな電子部品だろうか。たしかにコンデンサやセンサは同社の看板だ。ところが直近の売上を構成比で分けてみると、稼ぎの中心はもう別のところに移っている。株価も昨秋以降、大きく上下してきた。2027年3月期1Qの決算を手がかりに、収益の重心と株価の動きを重ねてみたい。 ※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

2027年3月期1Qは大幅増益。円安と出荷増が押し上げた

直近の四半期決算から確認しよう。2027年3月期1Qの売上収益(IFRS)は前年同期比+38.3%の7,410億円、営業利益は同+53.0%の863億円だった。税引前利益は+64.0%の945億円、当期利益(親会社の所有者に帰属)は+94.4%の805億円と、利益の伸びが売上の伸びを上回っている。

なぜここまで伸びたのか。会社の説明によると、対米ドルで前年同期比10.3%の円安が進み、為替変動だけで約725億円の増収と約113億円の営業増益をもたらした。加えて、AIデータセンター向け製品の出荷増、そして合理化や前期に実施した構造改革の効果が利益を押し上げた。

もっとも、追い風ばかりではない。メモリの需給逼迫と価格高騰を背景に、スマートフォンなどICT関連製品の生産は前年同期を下回った。それでも全セグメントが増収となったのは、需要の柱が複数に分散しているためと読み取れる。

稼ぎ頭は二次電池。セグメントで見える収益の重心

セグメント別に分けると、収益の重心がはっきり見える。最大はエナジー応用製品で、売上収益4,057億円は連結の54.8%を占め、セグメント利益は693億円だった。二次電池と電源が主体で、売上の半分超をこの一群が生み出している。

続く受動部品は売上1,768億円(+28.0%)で、セグメント利益は前年同期比+172.2%の173億円と大きく伸びた。磁気応用製品は売上816億円(+49.6%)で、会社によればAIデータセンター向けのニアライン用HDDに使うヘッドやサスペンションが伸びを牽引した。センサ応用製品も売上618億円(+33.3%)と増えている。

ここに一つの見え方のズレがある。TDKにはスマホ部品メーカーというイメージが根強い。だが実際の売上構成では二次電池が過半を占め、スマホ関連のICT市場はむしろ生産減の局面にあった。HDD部品も、記録媒体は斜陽という一般的な印象とは裏腹に、AIデータセンター向けが需要を押し上げている。イメージと数字は、並べて見ると別の姿を見せる。

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石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ

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