執筆者石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ
05:20

セグメントの内訳。石油製品が9割、開発と電気の顔ぶれ

事業の中身をセグメントで分けると、構造がよく見える。石油製品の売上収益は10兆3,417億円で連結の約88%を占め、営業利益は2,923億円だった。ここが在庫影響を最も受ける主戦場になる。

規模は小さいが利益率が高いのが石油・天然ガス開発で、売上2,167億円に対し営業利益508億円、利益率はおよそ23%と際立つ。電気事業は売上3,321億円で営業利益219億円、高機能材は売上3,365億円で営業利益110億円だった。石油製品という大きな一枚看板の利益が相場で揺れ、その周囲を開発や電気が支える。それが今のポートフォリオの姿だ。

昨秋以降の株価。940円台から一時1,500円近くへ、そして下押し

出所:各種資料をもとに筆者作成1/1

株価に目を移そう。2025年9月末はおよそ940円台と、昨秋以降では低い水準にあった。その後は秋から冬にかけて水準を切り上げ、2026年2月末には1,500円近くまで上昇する場面があった。

そこからは緩やかに下押しし、6月末には1,200円を割り込む水準まで下げたのち、7月末は1,300円台へ持ち直している。2026年8月時点でも1,300円台での推移だ。昨秋以降で見れば大きく水準を切り上げた一方、今年の初めにつけた高値の水準からは一段低いところにある。

会社は2027年3月期に営業利益6,100億円(+30.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益4,150億円(+60.4%)への増益を見込む。増益見通しが株価の下支えとして意識された可能性はあるが、原油相場や為替の前提しだいで振れやすい点は変わらない。次の1Q決算の発表がまもなくという局面でもあり、通期予想の前提がどう点検されるかが目先の焦点になりそうだ。

筆者コメント

一期の増益率の大きさだけを取り出せば、絶好調の合図と受け取りたくなる。だがこの業種では、変化率そのものが実力を測る物差しになりにくい。前期の落ち込みが深いほど、翌期の増益率は自動的に大きく出るからだ。

見るべきは、在庫影響を除いた利益がどの水準で推移しているか、そして原油と為替の前提がどう置かれているかだろう。会社の想定と実勢がずれれば、通期の景色は途中で変わる。石油元売りの決算は、確定した実績よりも「どの前提で立っているか」を確かめる姿勢が要る。

その意味で、まもなく出る四半期決算は、通期予想の前提を点検する最初の関門になる。派手な変化率に引っ張られず、実力ベースの利益と前提条件をセットで追う。安定業種という言葉の内側にある利益の振れを意識して眺めていきたい局面だ。

参考資料

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石津 大希アナリスト 株式会社モニクルリサーチ

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