【新富裕層】年収3000万円超の2人に1人が「資産1億円」到達
そして、この「貯蓄から投資へ」というマクロな動きをリードしているのが、高いインカム(収入)を背景に資産形成を進める「新富裕層」の存在です。
株式会社博報堂の博報堂富裕層マーケティングラボ(HAML)が発表する「新富裕層調査2025」では、高所得なインカムリッチのウェルスリッチ(資産富裕層)化と、投資対象の拡大が明らかになりました。
世帯年収別での「金融資産1億円以上」世帯/「同5億円以上」世帯の構成比」
- 世帯年収3000万円以上:金融資産1億円以上の世帯が51.6%(半数超)
- 世帯年収5000万円以上:金融資産1億円以上の世帯が68.6%。さらに金融資産5億円以上の「超富裕層」世帯も50.7%に到達。
高いインカム(フロー)が、確実に個人の資産形成(ストック)へと結びついていることが分かります。
世帯年収別の保有資産(金融資産・現物資産)
世帯年収別の保有資産(金融資産・現物資産)
また、投資対象についても年収が上がるにつれて変化が見られます。株式やNISAはインカムリッチ全体で保有率が高いものの、世帯年収3000万円以上になると「アクティブファンド」「暗号資産」「REIT(不動産投資信託)」の保有が増加。
さらに年収5000万円以上の層では、「FX」や「プライベートエクイティ(PE)」などのオルタナティブ資産や、時計、宝飾、金、アートといった現物資産への投資意欲が高まる傾向にあります。
【貯蓄から投資へ】大転換期を生き抜く、これからの資産形成の方向性
ここまで、日本の家計における金融資産の現状と、富裕層の投資性向について解説してきました。
2024年のNISA制度改正などをきっかけに、投資への一歩を踏み出した方も多いはずです。筆者が日々の業務でお客様と接する中でも、「資産をどう守り、どう増やすか」という意識の変容を強く感じます。
NISAなどの制度は資産を増加させるための有効な手段ですが、現預金とは異なり元本保証ではありません。大切なのは、自分の資産全体のうち「何割を運用に回し、いくらを現金で保有しておくべきか」というバランスです。
お盆休みは、忙しい日常から少し離れて将来のお金について考えられる貴重な機会です。
NISAなどの制度を活用している方も、まだ投資を始めていない方も、一度ご自身の資産配分やライフプランを見直してみてはいかがでしょうか。
「いくら運用し、いくら現金で持つのか」。こうした基本を確認するだけでも、下半期の資産形成に向けた第一歩になります。
参考資料
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格及びFP2級保有。地方銀行出身。現在はIFAとして、若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けたファイナンシャルプラニングから投資信託・債券・保険を活用した個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。
元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。

家計金融資産の過半数を占めていた現預金が投資へと回り始めたことは、日本経済において非常に大きな転換点と言えます。
富裕層がオルタナティブ資産や現物資産にまで分散投資を進めているように、インフレ時代においては「持たないリスク」を考慮したポートフォリオの構築が不可欠です。ご自身のリスク許容度を正確に把握し、長期的な視点で資産を分散させることが、これからの時代を生き抜く鍵となるでしょう。