執筆者神田 翔平ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/FP2級
監修者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者
16:30

【10人に1人が対象】過去最高の相続税「総額3兆2446億円」誰にでも起こりうる課題

一方で、生前に移転しなかった資産にかかる「相続税」の税負担も高くなっています。国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」によると、亡くなった人のうち相続税の課税対象となった割合(課税割合)は過去最高の10.4%に達しました。

《相続税》課税割合の推移

《相続税》課税割合の推移

これは「10人に1人以上が相続税の対象となる時代」を迎えたことを意味し、税額の総額も3兆2446億円と過去最高を更新しています。

相続財産の⾦額の構成⽐の推移

相続財産の⾦額の構成⽐の推移

相続財産の⾦額の構成⽐の推移
相続財産の⾦額の構成⽐の推移

相続財産の構成比を詳しく見ると、現金・預貯金等が34.9%、土地が30.2%を占めています。都市部に一戸建ての不動産を所有している、あるいは一定の預貯金を残しているという、日本の一般的な会社員家庭であっても、現役世代にとって相続税の負担は地続きの課題となっています。

まとめにかえて

銀行の窓口で多くの相続案件を担当して痛感したのは、「うちは財産が多くないから大丈夫」と対策を後回しにしてしまったご家庭ほど、いざという時に苦労されるということです。事前に対策をしていなかったばかりに、残されたご家族が複雑な書類集めや遺産分割の話し合いで心身ともに疲弊していく姿を、幾度となく目にしてきました。

統計が示す通り、今は「10人に1人が相続税を払う時代」であり、何もしなければ税負担や手続きの負担がそのまま家族へとのしかかります。
だからこそ、生前贈与を活用して計画的に資産を移していくことや、生命保険の非課税枠を活用して「誰にいくら残すか」をあらかじめ指定しておくなどの生前対策が、残される家族への最大の配慮となります。

もうすぐお盆です。久しぶりにご家族が集まるこの機会に、まずはご両親やご自身の「資産を整理し、現状を把握する」ことから始めてみてはいかがでしょうか。少しの勇気を出して話し合うことが、家族の未来を守る大切な第一歩になります。

村岸 理美
監修者村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

相続対策は「一部の富裕層だけの問題」と思われることもありますが、課税割合が過去最高となった現在、一般的なご家庭こそ早めの備えが欠かせません。

お盆のように家族が集まるタイミングを活用し、日頃なかなか切り出しにくい「お金や資産の将来」について少しずつ意見を共有してみましょう。元気なうちに意思決定と仕組みづくりを進めておくことが、将来の家族の負担を軽減し、円満な資産承継につながります。

参考資料

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神田 翔平ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格/FP2級
村岸 理美LIMO&ファイナンス編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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