この記事はここがポイント
- 早期退職時の資産配分は、教育資金・老後資金の性格分け、退職金・給与の置き場所の区別
- 資金決定後、債券・投資信託・株式など、値動きの異なる資産を組み合わせる分散投資
- 資産運用が十分なペースなら、無理に投資を増やす必要はないことの確認
「今の稼ぎは教育資金に、退職金は老後の運用に回したい」ーーそう考えてはいるものの、いざまとまったお金を前にすると、どう動かせばいいか分からず手が止まってしまいませんか?
定年退職であれば教育資金にめどが立っていることが多いですが、早期退職は別です。
子どもの学費のピークと、自分たちのセカンドライフへの備えという、性質も時期も異なる2つの大金が同時に押し寄せてくるからです。
「一度きりのお金だから失敗できない」というプレッシャーも迷いを深くします。
本記事では、早期退職で同じ悩みに直面した会社員の事例から、資金の性格に合わせた「置き場所の仕分け方」と、株高の局面でも動じない資産運用の考え方を紐解きます。
教育資金と老後資金、退職金はどちらに振り分ければいい?
退職金を受け取ったこの会社員は、「今の稼ぎは教育資金に、退職金は運用に使いたい」という思いを持っていました。しかし、実際に動かすとなると判断は簡単ではありません。
教育資金の準備と老後資金への備えは、必要になる時期もお金の性格もまったく異なります。
本来であれば時期をずらして向き合えるはずのこの二つが、早期退職というタイミングによって同時に押し寄せてきたことで、退職金をどちらにどれだけ振り分ければよいのか、はっきりしないという状態になっていました。
同じように早期退職を考えている方の中にも、この重なりに戸惑う方は多いのではないでしょうか。
NISA、iDeCo、保険、投資信託と選択肢自体は増えているものの、それぞれをどう組み合わせれば「理想的な資産配分」と言えるのか、判断基準が定まらないというのが、正直なところだったといいます。
退職金は債券?投資信託?値動きの異なる資産、どう組み合わせる?
金額の悩みが整理できたとしても、次に浮かんでくるのが「何で運用すればいいのか」という商品選びの悩みです。
まとまったお金を一度に投資してよいものか、それとも安定した債券に多めに残しておくべきか。株価が高値圏にあるというニュースを目にするたびに、今から投資を始めてよいものかという不安も重なり、判断を先延ばしにする理由ばかりが積み重なっていく状態だったそうです。退職金という一度きりのお金だからこそ、慎重になるのはケースバイケースというより、むしろ自然な反応と言えるでしょう。
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格及びTLC資格保有。ジブラルタ生命出身。現在はIFAとして、若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けたファイナンシャルプラニングから投資信託・保険を活用した個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。
三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行で15年以上のキャリアを築き、自身も20年以上の投資経験を持つ。現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『LIMO』でお金に関する記事を企画・執筆・監修中。

この二つの悩みは、順番に整理していくのが近道です。先に「資金の性格ごとの置き場所」を決め、次に「何で運用するか」を考える。逆にすると、目的が定まらないまま商品ばかりを探すことになり、迷いが深まります。まとまった退職金を一つの商品に賭けるのではなく、値動きの異なるものを組み合わせて全体で整える、と考えることが大切です。